勘違いさせんでよ

キーンコーンカーンコーン

終礼のチャイムが鳴って、みんながバックを持って帰りだした。

「たけるー今日俺サッカーあるから先帰るから!!また明日な!」

「わかった がんばって!」

「おう!ありがとな!」

そう言って、元気よくヒロムは教室を飛び出ていった

ヒロムのサッカークラブは土日と水曜日だから、水曜は一緒に帰れなかった。

「帰るかー」

一人で帰るのはちょっとさみしいけど、しょうがないことだった。



ミーンミーンミーン・・・・

セミがもう鳴いている。桜も落ちきって緑の葉が出始めていた。

夏がもうすぐだよ、、、そう教えられているように感じた

「こんなところにお店あったんだ。今度ヒロムと行こうかな」

いつも話してくれるヒロムがいないと、僕は周りをキョロキョロ見渡すだけだった。

まあそのおかげで、しらなかったことに気づけるんだけど・・・そんなことを考えていた・・・その時だった

「わあ!」

ビクッ!!!

ゆきなさんが急に前に飛び出てきた。

「びっくりした!?笑」

ニコニコ笑いながら少し馬鹿にしたような顔のゆきなさんがこっちを見ている。

「べ、、別にぜんぜんびっくりしてないよ!」

「はーい笑 嘘つきー!」

「ほんとね。」

「もーう強がらないでいいよ!笑」

「もうだから、、」

「あ、てかてか!」

「ん?なに」

「たけるくん帰り道こっちなんだね!ゆきながこっちなのしってたの??」

「あーこの前ちょっと見かけたから、こっちなのかなーて」

「えーなんで一緒に帰ろうて言わないの!!」

目を大きく開いて、少し怒ったようにこっちをみている。

その時のゆきなさんは・・・かわいかった

(もうまただ、変な感じ)

「いや、一緒に帰ってる子いるから」

急にゆきなさんの足がとまる

「だ、、な、、、」

「ん?」

なにかボソボソ言っている。

「だれなの!その子!」

急にゆきなさんが怒るように僕に迫ってきた

「いや、、、普通に幼馴染の」

「女の子!?」

「違うよ男の子、小さい頃から仲いいから」

「なーんだ 良かった笑」

機嫌を直したゆきなさんはスキップしながらまた帰り道を歩き出した。

「ねえたけるくん!私達同級生なんだから、呼び捨てで呼ぼうよお互い!」

「えーいきなり呼び捨てはちょっと・・・」

「拒否権ないから!じゃあ明日また学校でね!ばいばいたける!」

「・・・ばいばい、、、ゆきな、、、」

「ばいばい!!」

そう言って、ゆきなさんは道を曲がって家に帰っていった。

(ばいばい言うときのゆきなさん可愛かったかも)

「なんか僕、、ゆうなさんに遊ばれてないか?」

路上で一人僕は頭を抱えてしゃがみ込んだ



もう、勘違いさせんでよ

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