第12話
無事に合同入学式が終わり、Fクラスはこの後の親睦会が行われるFクラスのホールに移動する。
一般クラスが整列を殆ど崩さずに退場していくのに対し、物凄いバラバラさで散り散りになっていくFクラスに、協調性は無いものかと頭を抱えた。
…おいこら。誰だ鬼ごっこしてるやつ。
これ一般クラスと手と手を取り合って仲良くうふふ。ってどう考えても道のり遠くないか?
そしてやっぱり一般クラスから向けられる目はどうポジティブに捉えても良いものとは言えない。
「どっちもどっちだなぁ」
「何が?」
呟いた俺の言葉に反応する由良に、こっちの話だと首を振る。
そんな俺の顔を覗き込んだ由良は緊張してんの?と笑う。そんな平和な由良に釣られて口角が上がった。
「そんなん今更するか」
っていつもなら言うんだけど。
「今回ばっかりはそんなことも言ってらんないんだよな」
「あれ、そうなの?」
「ボスが"絶対勝て"って言ってきたもので」
「あちゃ〜」
腹立つが、あいつの言葉はここでは絶対。
あいつがそう言うなら今回ばかりは必ず勝たなければならない。
必要ない時はそんなこと絶対言わないって知ってる。Fクラスなら、みんな。
「士郎さんがそんなん言うの珍しいね」
「だなー」
なんかあんのかな?と首を傾げる由良に、さあなと曖昧に返しいつの間にか静かになった周りを見渡す。
少しダラダラと歩きすぎたなと、足早にホールを目指した。
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