第8話

 ハンバーガーの包みを丸めて、ゴミ箱に投げる。

パソコンのアラームが鳴った。

 岩本は「うわ」とビックリする。椅子に座って、パソコン画面を見た。

「ただの職員かよ、ビックリさせないでくれ」

 椅子にもたれる。 

 監視室のドアがノックされる。

 岩本はぱっとドアの方を向く。 

 ゆっくり、ドアが開いた。

 ドアを凝視する。

 ドアから山口の顔がひょっこり出てきた。笑顔。

「岩本さん」

 山口が可愛い声で声をかけた。

 岩本はほっと安心する。立ち上がる。

「どうしました?」

「クッキー食べます?」

「食べまーす」

「作り過ぎちゃって」

「山口さんの手作りですか! おいしいの確定じゃないですか!」



4 裏口から 

 

 岩本は魂なのか火の玉みたいな何かが揺れているカメラ映像をぼーと眺めている。

「幽霊の方がまだいいわ」

 パソコンのアラームが鳴る。

「ん? めずらしいな、ここか」

岩本がいる施設のアラームだった。

 カメラを切り替える。

 モニター映像に白塗りの殺人鬼が映っていた。裏口にいる。

 殺人鬼はカメラを見る。

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