第7話
やっと満足したのか殺人鬼は立ち上がり、カメラに視線を送った。笑っていた。白塗りの顔に血がついている。それから走りだして施設から姿を消した。
カップラーメンは冷めて伸びていた。
その日、施設にいた三人の人間が犠牲になった。岩本は人が殺されるのをただ見ていただけだった。
3 次に来るのは
夜。岩本は自宅で弁当を食べながら、スマホでニュース番組を見ている。
「先日の連続殺人事件についてです」
次の日の夕方、岩本はハンバーガーの紙袋を片手に持ちながら出勤してきた。
「おはようございまーす」
「おはようございます。今日もよろしくお願いしますね」
「よろしくされまーす」
岩本と山口は笑いあった。
岩本は監視室でハンバーガーを食べながら、椅子の後ろ側の壁にあるホワイトボードを見る。
殺人事件があった場所の名前が書いてあった。
殺人現場の名前を丸で囲み、丸と丸を線で繋いで他の担当施設を書いていく。
「次来るならどこだ?」
岩本は腕を組んでいる。二度あったのだ、三度目があっても不思議じゃない。そう考えていた。
けれど、なにかの関連性はなにも見いだせなかった。
「まあ、俺が預かっている施設にまた来るなんて確率、ほぼないだろ、施設に関連性なんてないしな」
息を吐く。
「わかんね」
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