第6話
「もしもし」
殺人鬼はカメラを見る。
岩本は電話を切った。電話をかける。
「警察ですか!」
カメラに映っていた殺人鬼は画面からいなくなっていた。
岩本は椅子にどんと座りこんだ。別のカメラを見る。
殺人鬼は施設を徘徊していた。施設にいた他の人と遭遇する。
岩本はモニターにしがみつく。
「逃げろ! 逃げろ!」
殺人鬼は人を刺した。
岩本は電話番号が載っている、紙を見る。
「他に番号は……ない」
警備員以外に繋がる電話番号は載っていなかった。
モニター映像に、物を段ボールに梱包している女性が映っていた。
「逃げて!」
岩本の声は誰にも届かない。
女性は殺人鬼に気づいた。ビックリして物を落とす。後ずさりして逃げようとしていた。
殺人鬼は走って女性を追いかける。
そこまでハッキリ見えるはずもないのに岩本には殺人鬼が笑っているように見えた。
女性はこける。後ろを見た。殺人鬼が迫っている。
「ああっ!」
岩本はモニターに食いついた。
殺人鬼は女性に馬乗りになって滅多刺しにした。
飛び散る血。
床に広がる赤。
包丁にこびりつく赤い血。
女性は動かなくなった。
とうぜんだ、こんなに刺されて、血があんなに出ているんだもの。
殺人鬼はそれでも刺すのをやめかなった。
「もう、やめてくれ……」
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