第12話 「自慢の息子」
タッタッタッタッ
「二人ともごめん!休みの日だからって父さんのんびり寝過ぎちゃった」
「お父さんおはよ!もっと寝ても良かったんだよ?」
「ボクが朝ご飯作ってB太にも食べさせたからね!」
「え?!A斗が作ってくれたのか?」
チラッ
「ご飯だけじゃなくて洗濯もやってくれたのか?」
「お父さんが洗濯機使ってるところいつも見てたからやり方覚えてたんだ!」
「お父さん助かるよ、ありがとう!」
俺には、二人の息子がいた。
六歳の長男と
「ぱぱー!あしょぼー!」
わんぱくな二歳の次男だ。
「ご飯食べたら遊ぼうな、もう少し待ってて」
「お父さんがご飯食べたら、食器洗いボクがやるね!」
長男は、この年にしてはかなりしっかり者で、たくさん助けてもらっていた。
.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.
ジューッ
料理の手伝いをしてくれたり、
ポスンッ
洗濯物を畳んでくれたり、
「にぃにー!」
弟の面倒もよく見てくれた。
.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.
「二人とも、買い物に行くけど着いてくるか?」
「ボク達待ってるよ!お家で遊んでる」
「そっか、じゃあ父さん一人で行ってくるな。少しの間お留守番頼んだぞ」
.・゜゜・ ・゜゜・. .・゜゜・ ・゜゜・.
一時間後
ガチャッ
「ただいまー」
「お父さんおかえり!」
「B太はどこだ?」
「お庭で遊んでたらさ、全身泥だらけになっちゃったんだ!」
「だから、B太を洗ってあげたの!」
「そうだったのか、ありがとうな」
沢山手伝いをしてくれて、弟の面倒も見てくれる。本当に賢い自慢の息子だ。
.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.
ガタガタガタガタッ
何故かは知らないが、その時は洗濯機が回っていた。
.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.
〚 解説 〛
二人息子がいる主人公。長男はまだ六歳ですが、手伝いや弟の世話をし、主人公を助けてくれるしっかり者でした。
ある時、主人公が買い物から帰宅すると部屋には弟の姿がありませんでした。
事情を聞くと、庭で遊んでいて泥だらけになってしまったので、洗ってあげたと長男は話しました。
面倒見の良さに感心する主人公ですが、最後のシーンを見て、ゾッとしたのではないでしょうか?
長男は、弟をお風呂で洗ったのではなく洗濯機に入れて洗ってしまったのです。
洗濯機を操作できても、何が危険かまではまだ考えられなかったのでしょうね。
長男に悪気はないけど、これは危険すぎますね...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます