第7話 「ストレートヘア」
同じクラスに、美人で成績も良い誰もが羨む素敵な女の子がいた。
名前はAちゃん。綺麗な黒髪のストレートヘア、スタイルも抜群だった。
ただ、みんなが憧れるだけでなく嫉妬で意地悪ばかりする人も居た。
「Aちゃんさー、私の代わりに職員室にノート運んでくれる?」
「出席番号順に並べて持って来てーって先生言ってたから、宜しくー」
「Sちゃん、ごめんなさい。私これからバイトで、直ぐにいかないと間に合わないの」
「えぇ?断るなんてひっどぉい!」
「私もすごく大事な用事があるんだよぉ。持ってってくれなきゃ、どうなるかわかってるよね?」
同じクラスのSは、いつもAちゃんに嫌がらせばかりしていた。
「Sっちー、何してんの?早くカラオケ行こー?」
「ごめんごめん、行こっかー」
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「Aちゃん、声かけられなくてごめんね、ノート私が持ってくよ!」
「ううん、大丈夫。頼まれたの私だし。ありがとう!」
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「......」
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Sの嫌がらせは毎日毎日続いた。
Aちゃんは一度も嫌な顔を見せることはなかった。
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ある日、突然事件は起きた。
朝のホームルームで、Sが通学路で亡くなっていたと聞かされたのだ。
首にはロープのような跡がついていて、凶器は見つかっていないが、◯人の可能性が高いという事で各自保護者に迎えに来てもらうことになった。
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トコトコ...
帰り際、何気なくAちゃんの方を見ると、
クルッ
「!!!」
いつもの綺麗なストレートヘアが、強くうねっていた。
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〚 解説 〛
クラスメイトのAさんは、美人で成績優秀。真っ黒なストレートヘアがチャームポイントの素敵な女の子でした。
Aさんに嫉妬しているSさんは、嫌がらせばかりしていましたが、Aさんは表情に出さず、じっと耐えていました。
ある時、通学途中に亡くなっていたSさん。警察によると、ロープのようなもので何者かに首を絞められた可能性が高いとのことでした。
帰り際、主人公がAさんの様子を見ると、ストレートヘアは強くうねっていましたね。
凶器はロープではなく、Aさんが三つ編みにした髪の毛でSさんの首を絞めていたのです。
固く三つ編みをしていて、犯行後にほどいたのでストレートヘアはうねうねになっていたのですね。
警察が調べていけば、すぐにわかりそうな気がしますが、そんな事は考えられないほど、我慢の限界をとっくに超えていたのでしょうね。
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