第8話 「右ヲ、ミロ」

「お待たせしました!豚骨ラーメン特盛と味噌ラーメン特盛です!」

「うおー!今日も美味そう!やっぱ豚骨だな!」

「いやー、味噌だよ!バターが溶けたスープが絶品!」

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「美味しかったぁ、特盛なんて余裕だな」

「お前凄いな、俺ちょっと苦しい食べすぎた」

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「俺、このあとバイトだからこのまま行くわ!じゃあな!」

「おう!また食べに行こうぜ!」

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「腹痛ぇ...はよ帰ろ」

トコトコ...

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「あー!絶対家まで持たん!公園のトイレ入ろ!」

タッタッタッタッ

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.

「和式は嫌いやけど...仕方無いか」

仕方無くしゃがんでみると

「ん...何だコレ」

“右ヲ、ミロ”

「右を、見ろ...?」

チラッ

書かれているとおり、右を見てみると

“左ヲ、ミロ”

「左を、見ろ...」

「...落書き?にしても随分命令口調だなァ」

今度は、“上ヲ、ミロ”と書いてあった

壁に書いてあるとおり、上を向いてみると

「!?」

「え...」

“ウシロミルナ”

思わずドキッとしたが...ゆっくり振り返ってみると

そこには何もなかった

「あーよかった、おばけでも居るのかと思ったぜ」

「嫌ないたずらだなァ、全く......」

トコトコ...

.・゜゜・ ・゜゜・..・゜゜・ ・゜゜・.















〚 解説 〛

公衆トイレに駆け込んだ主人公。しゃがむと、目の前には「右ヲ、ミロ」と書かれていました。

右を見ると、次に書かれていたのは「左ヲ、ミロ」その通りにすると、今度は「上ヲ、ミロ」

そして、天井に書かれていたのは、「ウシロミルナ」

何か居るのではと、ドキドキした主人公でしたが、振り返っても何もいませんでした。

すっかり安心した主人公でしたが、恐ろしい変化が起きていることに気が付きましたか?

正面に書かれていたのは、「右ヲ、ミロ」

右側には「左ヲ、ミロ」この通りに動きをすると、正面と右の繰り返しになるはずですよね?

なのに、次に正面を見た時、そこに書かれていたのは「上ヲ、ミロ」

単なる落書きではなさそうですね...

見えなかっただけで、後ろに居たかもしれません

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