阿波の恋唄【ナツガタリ'25】

太鼓（たいこ）なり　どんどん響（ひび）く　宵祭（よいまつ）り　君（きみ）の浴衣（ゆかた）に　胸（むね）の高鳴（たかな）り

囃子（はやし）の音（ね）　リズムに合（あ）わせ　歩（あゆ）むたび　二人（ふたり）の足音（あしおと）　ひとつに重（かさ）なる

提灯（ちょうちん）の　淡（あわ）き明（あ）かりに　横顔（よこがお）を　踊（おど）り忘（わす）れて　ただ見（み）つめてる

ヤットサー！　ヤットヤット！　人波（ひとなみ）に　肩触（かたふ）れ合（あ）って　ときめき隠（かく）す

新町橋（しんまちばし）　阿波踊（あわおど）り舞（ま）う　君（きみ）の手（て）を　そっと引（ひ）き寄（よ）せ　群（む）れを抜（ぬ）け出（だ）す

頬（ほお）を染（そ）め　笑（え）みこぼれゆく　あなたへと　団扇（うちわ）の風（かぜ）を　静（しず）かに送（おく）る

人込（ひとご）みで　はぐれぬように　触（ふ）れた手（て）の　ぬくもり今（いま）も　指（ゆび）に残（のこ）りて

汗（あせ）の香（か）と　夜店（よみせ）の匂（にお）い　夏（なつ）の夜（よる）　君（きみ）の笑顔（えがお）を　胸（むね）に刻（きざ）みつ

縁台（えんだい）で　並（なら）んで啜（すす）る　かき氷（ごおり）　甘（あま）さに溶（と）ける　ひとときの夢（ゆめ）

街中（まちじゅう）に　踊（おど）りの花（はな）が　咲（さ）き乱（みだ）れ　瞳（ひとみ）の奥（おく）に　灯（あか）り映（うつ）して