本作の舞台はとある高校の文芸部。文芸部ではミステリアスなタイトルの小説が段ボールに大量に箱詰めにされていました。それを見た超絶美人の露峰先輩は、「タイトルから中身を当てる」というゲームを考案します。
早坂吝の『◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件』というタイトル当て小説がありますが、本作はその逆を突くという新たな切り口で斬新だと思いました。この着想だけで称賛に値すると感じます。
そんなゲームに参加するのは個性的な文芸部の面々。
美人でツンデレな露峰先輩。ちょっと発想力に乏しくて若干スケベなハギー。筋肉のことしか頭にない番条。深刻な中二病を患っている羅本。思いやりがあって感傷的な鳩飼さん。お嬢様という設定でいるBL大好き桐ヶ窪さん。
どのキャラも立っていて魅力的です。変なタイトルを目にした皆は、それぞれのキャラに沿った独特な予想を披露。キャラが最後まで一貫していたのも素晴らしかったです。
みんなの予想が出揃うと、答え合わせとしてそのタイトルの小説が作中作として展開されます。この作中作も、ど真ん中直球で来たり消える魔球みたいな変化球で来たりと大変面白い。ジャンルも偏らないように配慮されているので読んでいて飽きません。
文章も流麗で非常に読みやすいです。全体に誤字脱字がほとんどないのもリーダビリティーを一層高めていて好印象。
第一話を読んだ段階で、「これは面白いコンセプトだ!」と一気に引き込まれました。
主人公は高校の文芸部に所属するハギーと部長の露峰クレア先輩。
二人は文芸部の部室に置かれた段ボールを見つける。そこには大量の原稿用紙が収められていて、おそらく過去の文芸部員が書いたと見られる小説が。
その小説のタイトルが、一言「カオス」なものばかり。
『トイレが十個ある家』、『パンツを頭にかぶった男』、『村人が全員、全裸の村』などなどが発掘される。
二人はタイトルを見て、「これは一体どんな内容の小説なのか」と議論する。そして実際の検証という形で作品を紐解いていくことに。
なるほど、こういうタイプのミステリーもあるのか、と切り口の新しさに惚れ惚れとしました。
たしかに妙なタイトルの小説とかを見かけると、「どんな内容なのだろう」と疑問を抱かされます。
それをミステリーの「日常の謎」として扱い、一種の「当たり」をつけた上で紐解いていく。
そして作品内容のカオスさを垣間見ることになったり、それを書いた人間にツッコミを入れずにいられなくなったり。
これらの作品がどのような内容を持つものなのか、読者もハギーたちと一緒に強く興味を惹かれることになります。
冒頭からのツカミが強く、二人の掛け合いもとにかく楽しい。是非とも手に取って、彼らと一緒に「謎のタイトル」の作品群と向き合ってみていただきたいです。