第2話
両親の夫婦仲も悪くなかった。
兄弟仲も悪くはなかった。
けれど、家族は私の気持ちを受け止めてはくれなかった。
悪口が飛び交う教室、受験を控え、成績の良い子ばかりを贔屓する先生、学力のことしか心配してくれない家族。
私には、居場所がありそうでなかった。
インターネットの掲示板だけが、私の居場所になってくれた。
少し前までは、ネット上で、同級生くらいの子が集まるスレが立ち、そこに自由に書き込みができたが、今では、犯罪や誹謗中傷の観点から、セキュリティが厳しくなり、気軽に集まれなくなった。
私は本名ではなく、ニックネームを使い、同じ年代の子達が集まるスレに出かけていた。
かわいい動物が好きだったため、パンダという名前を使った。
そこで、人の悩みを解決し、喜んでもらって、自分の居場所を作りたかったのだ。
そこに通い詰めた理由は、話の合う人と話したかっただけ、お金もなくサークルにも参加できなかったため、無料の掲示板で集まっていた。
いじめにあっていた同級生くらいの女の子の人生相談に乗っていた。成功する人は、辛い時期を過ごしている人が多いから、あなたはそういう人なんだねとか無責任なことを言ったものだった。
その数カ月後に、私もいじめにあった。
推しと根暗 @yukasakura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。推しと根暗の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます