第2話子供の暗闇
怖い…、怖い…。
布団を離さずに顔を出さないように、ぎゅっと握る。
おしっこに行きたいのと、布団の外の暗闇がとてつもなく怖いという二つの感情が押し寄せ、どうしていいか分からずに布団の中で小刻みに震えている。
明日の朝も漏らして怒られちゃうのかな。
雷と同じくらい怖いお母さんの顔が頭をよぎる。
布団を少し持ち上げ、できた隙間から外の暗闇をそーっと覗く。
そこには誰もいない。
しかしまた、怖くなって布団を閉じてしまう。
外の世界をどれだけ覗いても怖いという感情は全くおさまらない。
しかし、お母さんのお顔が思い浮ぶたびに、勇気を出して布団を出ようと外の世界を覗く。
が、また怖くなって布団を閉じる。
それを繰り返しているうちに外から少し光が差し込んできた。
それに気づかずに外の世界を覗いた。
さっきまでは無かったはずの光がそこには広がっていた。
なんでだろうと怖いを超えた感情が生まれた。
僕はそっと布団を抜け出した。
床に足をつけたその時、ゴトッていう大きい音がした。
ビクってなった。
少し前にお母さんに怒られたことを思い出した僕はまた怖くなって、
でもここまできてしまったら、布団に戻るのも怖くって。
そっと部屋を出た。
怖いを乗り越えて、トイレに辿り着いた僕は心がブワァッと広がった。
そんな時またゴンッて大きい音がした。
トイレの中でまた怖くなった僕は、トイレをなかなか出られなくなった。
バンッってトイレの扉が大きな音を立てた。
またビクってなる。
そこからお母さんの声がした。
いつもより少し声が高い。
今日は優しいお母さんだ!
そう思った僕はすぐトイレを出た。
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