2話 回想〜ル????ナ??記??
我は……いつも皆に避けられていたのじゃ。
理由としては、竜種の割に合わない魔力保有量の多さ。
そして……少しばかり運動神経が悪いことからだった。
ただ………竜種っぽくない。
それだけで、皆からは避けられ、時には暴力が飛んでくることすらあった。
そんなことが何年も続き――――私は、ボロボロの体で、満足に空も飛べない。
そんな状態で。崖から落ちて。この世から去ろうとした、そんなとき。
「うわぁぁぁぁ〜〜っ!!??こっち来るなぁぁぁ!!あ、そこの子避けてぇぇ!!」
魔物に追われてか、いきなり出てきた銀髪の男の子が。
我より先に落ちたのじゃ。
「えっ!!だ、だれかああぁぁぁ!!」
そんな情けない声を上げて落ちていく少年を見捨てられなくて。否、こんなことで死なせたくなくて。我は彼を守るように落ちていったのじゃ。
まぁ、結果としては、高さが足りなかったらしく、去ることなど到底できなかったのじゃが。
彼は、私のボロボロの体を見て、驚いたような顔をしたあと。
「ご、ごめんっ!!巻き込んじゃって!回復薬使うから、結構しみると思うけど、我慢して!」
そういって、我に回復薬を使ってくれた、たしかに沁みはしたけど、なにより。
その心の温かさが、我の心に何より沁みたのじゃ。
「本当に良いのか?我に使わずともお前に使えばよかったのじゃぞ?」
「で、でも!僕を助けてくれたし!なにより……そのっ!君が可愛いから!」
――――――可愛い。
そんなこと一度でも呼ばれたことはなかった。
呼ばれたのは、色々な種族の者たちが忌避している存在。
〈魔女〉
ただ、嬉しくて。認められたのか。そんなことを思うと、涙が止まらなかった。
ただ、我をこんなにした当の本人は、
「えっ!!大丈夫!?あわあわ……」
と、あわあわしていたのだ。
―――――――――
「あ!そういえば名前聞いてなかったね!僕の名前はゼムト!
冒険者目指してるんだ!よろしく!」
そう言って、ゼムトが手を差し出す。
私はその手を取って、
「我の名はルデリナ。ルデリナ・ラシュテールじゃ。よろしくたのもう。」
そこから、我達のパーティ……
「
結成の幕開けであり。
我が絶望する一つともなるのじゃった。
―――――――――――――――――――――――――
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記・ダンジョン にしめ!? @Nishime-san
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