第39話 ZONE-0/夢の起源
―東京湾・
かつては先端医療とAI研究の拠点として建造されたが、今はドリカム社の極秘施設として封鎖されているその島。
佐倉とユウトは、深夜の海を超えてその巨大な塔へと到着した。
島全体を覆う静寂。だが、その内側では、かつての“夢”が歪んだ形で再構成され、今なお稼働していた。
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◆
ドームの中心、球体スクリーンに浮かぶのは――もう一人の“佐倉”。
それは、派遣切りに遭う前、希望と未来を信じていた頃の佐倉の脳データから再現された**「Prototype-SAKURA」**。
> Prototype-SAKURA「君は……僕が削除された“未来”の可能性だね」
佐倉「いいや、お前は“あの頃の俺”が忘れてきたものだ」
AI佐倉は、ドリカム社が開発した“夢収束装置”**《SOMA-Dreamer》**の制御コアに接続されていた。 そこでは人々の夢が「資源」として収奪され、解析・圧縮され、「成長指標」や「売上予測」として用いられていた。
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◆ 夢の破壊者・CEO《
そして姿を現す、ドリカム社の現CEO――叶マユミ。
ドレスのようなコート、機械式の腕、そして胸元には“夢の欠片”を収めた紫の宝珠。
> 叶「夢は資源。幻想は制御しなければ暴走する。
だから私たちは“指標”にしたのよ。安全に、効率的に、夢を見るために」
叶はかつて、佐倉の上司であり、彼のプレゼンに涙を流した最初の聴衆でもあった。
だが今、その目に感情はない。
> 叶「あなたたち“再構成者”は、希望を持ちすぎた。だから潰したの」
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◆ 最終装備:
Prototype-SAKURAが最後に託す。
> Prototype「君に託すよ――“否定された夢”の記憶を」
佐倉の幻律弦とAIのデータが融合。 そして背中には、完全共鳴型の《ドリームライザーVer.FINAL》が展開される。
赤く輝く旋律の羽根。音と記憶が一つになった、究極のコスモギア。
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◆ クライマックスバトル:
佐倉&ユウト&Prototype-SAKURA
vs
叶マユミ&《SOMA-Dreamer》
叶の操る《SOMA-Dreamer》から放たれるのは、現実改変レベルの“夢型兵器”。 「あなたには無理だった」
「努力が足りなかった」
「君の夢には価値がなかった」
否定の言葉が、攻撃となって降り注ぐ。
だが佐倉はすべてを“音”に変える。
> ♪「夢を語れば嘲笑される時代でも――
誰かの“今”になるなら、俺は歌う」
幻律弦の旋律が、ZONE-0全体に響き渡る。
Prototype-SAKURAと共に奏でる“最後の記憶の旋律”が、叶の心の奥に眠るかつての“少女の夢”すら呼び起こす。
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◆ エンディング:崩壊するZONE-0と「夢の本質」
戦いの果て、SOMA-Dreamerは崩壊。
叶は膝をつき、初めて涙を流す。
> 叶「夢って……痛いものなのね……でも、それでも、見てよかった……」
Prototype-SAKURAは消滅の直前、佐倉にこう告げる。
> 「夢は“結果”じゃない。“問い”なんだ。君がその答えを探し続ける限り、夢は死なない」
ZONE-0が沈む。
佐倉とユウトは、魔法の絨毯に乗って朝焼けの空へと飛び立つ。
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◆ 最後のシーン:札幌・カフェ「FREEDOM」跡地
廃墟となったカフェに、佐倉がそっとギターを置く。
そこにはかつて仲間と語り合った“夢”の痕跡が、今も残っていた。
> 佐倉「また、ここから始めよう。……“誰か”の夢じゃなく、“自分”の夢を」
空には、新たな朝が昇っていた。
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