第三風め

前編 『その夏は、まだ予定のままで』


_―計画って、きっと、思い出の前ふりなんだ_



Scene 1|グループLINE:はじまりの通知音


【はる】:

「夏休み、みんなでどっか行かない?😁」


【つむぎ】:

「行きたい行きたい😍」


【詩織】:

「いいよー イケメンよろ👍」


【なぎさ】:

「いいけど……肌、弱いから日焼けNG🙇‍♀️」


【詩織】:

「……じょしか😂」


【はる】:

「行きたいとこ募集!明日、学校でね〜〜!」


→ テンポよく流れるグループLINE。

→ でもその軽やかさの中で、**誰にも気づかれず始まっていた風があった。**



Scene 2|教室:計画ミーティング、始動


→ 放課後、陽が配った白紙の行き先案メモ。

→ そこに分厚い資料を重ねたのは――意外にも、なぎさだった。


詩織:「……え、なにこれ」

なぎさ:「目的地候補、予算・移動時間込みでピックアップしてみた」


→ 詩織はその横顔に目を留める。

→ その静かな声と資料の整い方に、胸がほんの少し揺れた


詩織(心):

_「真面目だけじゃない。

この人、風の流し方、きれいかも」_




Scene 3|なぎさ案:道祖神めぐりツアー⁉️


→ 候補地一覧には、安曇野の道祖神スポットがさりげなく挿入されている


はる:「え、なぎささんこれマジなの⁉️」

詩織:「やばい、文化系デートじゃん!大賛成〜〜!」

つむぎ:「棚田って、風と合いそう……🎐」


→ 詩織&つむぎがなぎさ案を本気で支持。

→ なぎさは「混まないし静かだから」程度に返す


→ 詩織、メモに印をつけながらふっと笑う


詩織(心):

_「“風の感じ、わかってる場所”って、こういうとこかも」_



Scene 4|夜のグループLINE、詩織からの集中砲火


詩織:「なぎさって昔どんな部活だったの?」

詩織:「虫とか平気なんでしょ??男子か😂」

詩織:「好きな飲み物は?寝る前なに聴いてる?」


→ 既読3 → はる:「今日の詩織、なぎさ特集?」

→ つむぎ:「詩織ちゃん、なぎさちゃんのこと……観察?」

→ なぎさ:「……風呂入ってた」


→ 詩織、既読の秒数を見てニヤニヤ

→ でもスマホを見つめるその顔は、ちょっと真剣だった


詩織(心):

_「こんなに知りたくなるって、もうちょっと好きなのかも」_



Scene 5|サマーハイライト:日々が育てる風の種


日替わり描写(ダイジェスト風):


- 道祖神めぐり下見で、詩織&なぎさペア行動

→ 詩織:「迷った⁉️」「帰れる?」→ なぎさ:「GPSある」→笑い合う


- 食べ歩きシーン

→ 詩織、なぎさの好みを覚えてアイスを選ぶ

→ なぎさ:「……苦くて好き」→ 詩織:「まじか、渋!」→でも嬉しい


- 日傘の影で肩を並べるふたり

→ 「狭くない?」「でも陽射し強いし」→距離がすこしだけ縮まる


→ 詩織、帰宅後スマホのメモ帳に打ち込む:


_「なぎさって、見つめられてると気づいてない。

でも、風のなかの“余白”みたいで――目が離せない」_



Scene 6|昼休み:つむぎとの“恋トーク”


詩織:「ねえ、つむぎ。

人を好きになるって、どんなときにわかる?」

つむぎ:「え……わたしは、“名前呼ぶたびに手のひらあったかくなる感じ”だったかな」

詩織:「……それ、超わかる。てか詩かよ」


→ ふたり、笑って誤魔化すけど

→ その笑いの奥には“確かに始まった風”が揺れていた


詩織(心):

_「あたしの手のひら、いまも、なんかあったかいんだ」_



Scene 7|告白直前・次回への風


→ 昼下がり、神社近くのベンチ。詩織となぎさ、ふたりだけで並んで座る


→ 麦茶を飲む音だけが響いてる。風鈴は鳴っていない


詩織:「……ねえ、わたしだけかな」

詩織:「最近のなぎさ、“ずるい”って思うくらい、好きなんだけど」


→ なぎさ、一瞬止まる

→ 詩織、視線を合わせずにポツリと笑う


詩織(心):

_「……この風が、届いてますように」_


→ フェードアウト

→ 🕯️**後編へ続く…**

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