第2話「いや、俺が雨男なのかもよ!」

雨男と爆笑


「いや、俺が雨男なのかもよ!」


彼の突拍子もない言葉に、私は思わず吹き出した。まるで、私が彼に「雨女」のレッテルを貼られたことへの、精一杯の反撃のようだった。


「え、だって、私と会う時だけ雨降ってるんだよ?」


「いやいや、もしかしたら、俺が君に会いたいって強く願うと、空もそれに呼応して泣いちゃうのかもな!」


彼はそう言って、さらに胸を張る。その真剣とも冗談ともつかない表情に、私はもう一度笑いがこみ上げてくるのを抑えきれなかった。


「ははは!そうかも!じゃあ、雨降ったら、お互いのせいってことにしよう!」


「それがいい!どっちが雨男で、どっちが雨女か、もうどうでもいいや!」


私たちは、まるで子供のように笑い合った。傘に当たる雨音も、私たちの笑い声にかき消されてしまうほど、辺りは陽気な響きに満ちていた。


「とりあえず、この雨、二人で思いっきり楽しもうぜ!」


彼は私の手をぎゅっと握りしめる。その温かさと力強さに、私の心は満たされる。雨粒が頬を伝うように、彼の笑顔もまた、私の心に染み込んでいく。


「うん、楽しもう!」


私たちは、雨の中、手を取り合って歩き出した。どちらが雨男で、どちらが雨女かなんて、もうどうでもいいことだった。大切なのは、この雨の中で、二人で笑い合えていること。それだけで、どんな曇り空も、私たちにとっては輝く太陽に変わるのだから。

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