第4話 もう逃げない


「どうしよう、流れで入谷くんの家の前まで来ちゃったよ」

(入谷くんはもう僕のこと好きじゃない)



【ピシャッピシャッ】


「嘉木!!」

「入谷くん、!」


入谷は傘を手放し嘉木に抱きつく


「本当に、…出会えてよかった」


びしょ濡れになりながらも入谷の体温が暖かくて落ち着く


「ごめん、本当に俺、嘉木の事、、!」


「僕さ、入谷くんの事好きなんだ。もう遅いよね…こんな僕が、入谷くんのこと好きになって、ごめん。でもどうしても好きなんだ。」


【チュッ】


入谷は嘉木にキスをした

顔が近くて、入谷の好きという気持ちが伝わってくる


「嘉木、?いや誠人、好きです。俺と付き合ってください」


入谷は顔を赤くして言った。多分僕も赤くなっているだろう


「はい!よろしくお願いします」


※ ※ ※


「風邪引いちゃうよ笑?入谷くん」


「ごめん!笑誠人が可愛すぎて」


僕は顔が赤くなっていくのが分かった


「も、もうっ!入谷くん!」

「ほら、入るよ」



そのまま2人で濡れた髪を拭いて部屋へ入っていった



「やっぱり入谷くんの部屋綺麗だね」


「ねぇ、?誠人。入谷じゃなくて、優利って言ってよ」


あまりにも急で驚きながらも

「優利、……好きだよ」


「やばいキャパオーバーすぎる!!!」

「ほんとに俺のこと好きなの…?」


少しドキドキしながらも確かめたくて聞いてみた


「好きだよ。」

 

その一言で全てが報われた気がした


もう逃げない。もう手放さない。

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