第4話 「皆んな可愛い」
キララを演じることが
どんなに苦悩だったか
皆んな、知らないよね。
ついたお客様皆んなに言われる
「珍しく可愛いね〜」
あたりめーだよ
どんだけローンに苦しんで
こっちは金掛けて美貌を手に入れたと思ってんだよ、ばーか。
そんなローンも払いきれてない
働きたくないわけじゃない
だけど、寂しいから。
苦しい時だけでいいから
寂しさを埋める、都合のいい人止まりでいいから
私は、存在価値を見出している。
本当は周りみたいに
ふっつーの生活したいわけ。
恋愛して
結婚して
子ども授かって
家庭っていう温かいのを
私はなーんにも知らないんだ。
幸せ?って、なんだっけ?
好きな人?なんだっけ?
あれ?私って
なんだっけ?
「あれ?キララちゃん、悲しいの?」
「え?あ!うううん!!!
ちょっとね、思い出したことがあったの。
でもそれは結城さんには秘密ね!まだ!」
「なんだよー、気になるけど、悲しい顔しないでほしいから…」
ふと、我に返って
私はいつの記憶を思い出したんだろう。
そう思ってしまった。
そして大事なお客様の一人
結城さんという大企業に勤めている方の前で
悲しい顔をしてしまった。
情けない、仕事なのに。
仕事…なのに
私は私を隠しすぎている。
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