第10話 見えざる真実

不良グループから得た情報をもとに、山本は翔太の家を訪れた。

薄暗い玄関の扉を叩くと、母親が疲れた表情で出迎えた。


「翔太のことで……」

山本が切り出すと、母親は深いため息をついた。


「翔太は学校でも外でも追い詰められていました。でも、私は仕事で忙しくて、気づいてあげられなかった……」


山本はその言葉を受け止めながら、ふと目に止まったのは、リビングの棚に飾られた小さな箱。

「これは?」と尋ねると、母親は震える声で答えた。


「翔太のおばあちゃんが遺したイヤリング……ずっと大事にしていたんです」


山本はその箱を開け、中のゴールデンイヤリングを手に取った。

それは確かに、ただのアクセサリーではなかった。


彼は直感した。

「このイヤリングが、翔太を狙う者たちの鍵となっている」


さらに調べを進めるため、山本は翔太のスマートフォンを解析に出すことにした。

すると、そこには匿名からの脅迫メッセージや、不自然な通話履歴が残されていた。


証拠は揃い始めた。

真実は、まだ闇の中だが、山本の推理は確実に核心へと迫っていた。

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