第3話 病院訪問
黒岩医師に会う決意を固めた。
このまま黙っていたら、僕の脳はどうなるのか——それすら分からないままではいられなかった。
僕は、日の入総合メディカルセンターを訪れた。巨大な医療ビル。その中でも黒岩重蔵は、この施設の最高権威として知られている。エントランスの受付で名前を出したが、案の定こう返された。
「黒岩医師はご予約の方のみとなっております。」
覚悟はしていた。だが、ここで引き下がるつもりはない。
僕は一度息を吸い、告げた。
「ブレインレンタルの副作用の件で、直接お話ししたいんです。」
その瞬間、受付の女性の顔色がわずかに変わった。数秒間の沈黙の後、「少々お待ちください」と言って内線でどこかと連絡を取りはじめた。
数分後——「黒岩医師がお会いになるそうです。こちらへどうぞ。」
僕は無言で頷き、そのまま案内されるまま廊下を歩き始めた。
この先に、あの黒岩重蔵がいる。
彼は一体、何を知っているのだろう。
そして——僕に何を告げるのだろうか。
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