第4話 家の前
私が住んでいた団地の前にあった木
(なんの木かは忘れた)には
いつもニコニコした小柄なお爺さんがいた
当時3歳の私は妹が生まれ
てんてこ舞いな母に
外に掘り出されていた為よく見かけた
(大人になってから毒親と言われた)
お婆ちゃんに作ってもらったお手玉と
キラキラしたおはじきを一緒に遊んだ
記憶がある
お手玉の唄も教えてもらった
ピエロの曲芸は怖かったが
お爺さんのお手玉は怖くなかった
たまに母親が家事をしながら
私の様子をうかがっていたのだが
気味が悪かったそうだ
1人でケラケラしていたらしい
(その時心配して見に来いとは思うが)
お爺さんなんか見てない
通りすがりの近所の人も挨拶だけ
だったそうな
あの木ドングリの木ではなかったはずだが
貰ったドングリは確かにあった
引っ越したし
木も伐採されたから
何もわからないままだ
ただ夢の中で
「木がなくなるなら
私がお爺さんの木になる!」
と言った事は覚えている
何か約束してしまったのだろうか?
第4話完
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