第3話

大人は信じられない



ものごころついた時からそう思っていたし今もそう思っているし 大人は嫌いだ

でも今はそうじゃない大人を発見したんだ!だから もしかしたら他にもまともな大人がいるのかもしれないと思う

でも羽坂先生のような人が捜せば見つかるのかな?あんな良い人が…


でもなんだろう

この気持ち

恋?いやいや…だってあたしの好みは羽坂先生みたいな不思議ちゃんじゃない それに男子は恋愛対象ではないから!あたしはレズだから あたしは佐藤が好きなんだ!絶対!告白なんてしないけど…


友達のまま このまま終わるんだろうなって思う時がある 少しセンチメンタルな気持ちで横を歩く佐藤を見つめてる時もある


でも言えないんだ!


あたしは男に生まれてきたかったのに!!!



『レズ?そこをなんとか…せめてバイにならないかな?』

それが羽坂先生の第一声だった


羽坂先生に相談してみた その結果がこれだった

『つまり男子に興味がもてないのですか?』

やっぱり羽坂先生も他の大人とあんまり変わらないのかな…と思いかけたその時だった



『僕は初めて会った時から君が好きなんだよ』



はぁー…っとため息をつき羽坂先生は珍しく顔をくもらせる


『君が卒業したら言うつもりだったんだよ』

『はっ?』

マジで気づかなかったことだ まったく気づかなかったなんて言ったら羽坂先生はどんな反応をするのだろう…意地悪がしたいわけじゃない でもそう思った

でも今日はエイプリルフールでもないし羽坂先生はそんな冗談をいう人じゃない 



そういうところが真面目なのだ

絶対に冗談じゃないことだけ伝わった



そして羽坂先生は立ち上がりこちらに近づいてくる


そして羽坂先生はすっと手を伸ばし


その手があたしに近づく


あたしは思わず目をつむる なんだか怖い…


そしてあたしのかけていた眼鏡をすっと取る

『目を開けて…』

そう言われて目を開けると



パシャッ


『えっ?』


羽坂先生がスマホをこちらにむけていた

そして今取った写メを見せてくれた

『君はこんなにかわいいんだよ!僕が恋した君の素顔さ』

君はまったく気付いてないだろうけど

君のファンはけっこういるんだ


『保健室の眠り姫』と君は呼ばれているんだよ!保健室で眠ってる君の素顔は学校内でも有名なんだ

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