第3話 準備!

「と、東京のが、学校にいきたいのか?」


「はい」


「う、うむ、できれば叶えてやりたいのだがお前も知ってるだろう...我が一族は本州に入国することができぬのだ。」

こ、困るぞ!我が息子よ。お前に家督を譲って妻と旅行に行く作戦が...


「はい、勿論存じております。しかし父上、最近父上もこっそり本州への旅行を計画していると伺いました。それは本当なのでしょうか?」


ぐ、ぐはぁ!な、なんでそのことを知っている?!どうすれば...そうだ!

「ならお前に条件を出す。」


「お前ももう15になったのだろう?我が一族は17で結婚し、前当主の裁量により家督を譲ることになっておる。また東京にはお前の嫁の候補となっている娘がいるのだ。その学校に行き、次期嫁になるかも知れぬ娘と親睦を深め、三年後、こちらに戻ってきたら家督を継ぐ。これでどうだ?」


「ありがとうございます。ぜひそちらの案を採用させてください。」


あぁ、私の愛妻旅行がぁ...3年後になるとは

「わかった、ならその娘のある高校に入学手続きをしておく。一般に高校には入学試験があるがお前なら楽勝だろう。入学式は四月と聞く。残り一ヶ月十分に準備せよ。」


「わかりました。ありがとうございます父上!」


そういうと息子は部屋を出て入学の準備に取り掛かったようだ。

「はぁぁ」


「どうしたのですか?あなた」


そこには私の愛してやまない嫁がいた!

「綾!聞いておくれ。息子が東京の高校に行きたいと言い出したのだ。私たちの旅行も3年後に延期になってしまった。すまぬ...」


「うふふ、何をおっしゃるんですか?あなただって私と面談した後すぐに同じように高校生活を送りたいと無茶を言い、京都まで会いにきてくださったじゃないですか?」


「は、恥ずかしいことをあまり言うな。」


うふふ、相変わらず直継さんは可愛いわぁ。ついいじめたくなっちゃう。

「でも一つ心配なことがあります。」


「ん?なんだ。あの子ほどできた子はいないぞ。歴代最強と謳われているほどだ。」


相変わらず鈍いんだから

「そんな日本の危機をひっくり返せるほどの知力、運動力...まあ武力?を持ち合わせているんですよ?あの子クラスに馴染めるかしら。」


「なあに、私だって普通に馴染めたんだ。心配ないさ。」


???

この方は何をおっしゃってるんですか?

私の高校に来た不良をフルボッコにしてありとあらゆる大会の一位を総なめし、現地の高校生の心をへし折ってらしいたじゃないですか笑


「まあそんなところも可愛いんですけどね笑」


「ん、なんか言ったか?」


「いえいえ、何にもありませーん♪」


そういうと嫁はどこかに行ってしまった。

ああ、もう少し当主として頑張るとするか。

そろそろあの集団が活動を始めようとしてると聞いた。私も老いたからな、頼むぞ息子よ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あ、母上!無事に東京の高校に通えるようになりそうです!」


「ねえ言ったでしょ?あの人私だけが弱点なのよ。、だから旅行の話をしたらすぐ折れたわね笑」


さすが母上だ。

「では一ヶ月後東京に行くためのじゅんびをしてまいります。」


「あらあら、ちょっと待ちなさい直敬。少し話をさせて頂戴。」


「は、はいなんでしょうか?」


「あなたや直継さんは普通とはかけ離れた教育をされてきたのよ。何があっても本気で取り組まないこと。あなたの力はありとあらゆるものを守るためにあることをしっかり意識しておきなさい。この一ヶ月その練習をしておくこと!」


「わかりました。」


それから一ヶ月後



「では、行ってまいります!」


「「行ってらっしゃい!」」

そうして僕は船に揺られて15時間。

東京にやってきた。

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