第9話 🔥ミサキ、偏差値を上げるの巻🔥
──REAL experience・伝説の静岡GIG──
時は2025年秋。REAL experienceの全国GIGツアー「ROCKの逆襲」が地元静岡に上陸。ライブ会場には地元の中高生がわんさか詰めかけ、開演前から「今日、人生変わる気がする…」「ていうか、英単語帳忘れた…」とざわざわモード。
そんな中、2曲目『知ったかブレイク』が終わるや否や、ボーカル・ミサキがマイクを握り、客席に向かって叫んだ。
「だらああああっ!!お前ら勉強しろーぃ!!!」
一瞬、シン…と静まり返る会場。
ちなみに、ミサキは県内一の進学校、葵高首席のインテリだ。
「パンクもいいけどなぁっ!教養もねぇで何が真実だぁぁぁ!!」
「本を読めぇっ!語彙力を上げろっ!文法を叩き込めっ!バカのままロックを叫ぶなぁぁぁぁっ!!!」
「立派な人間になってから真実を握りしめろやぁあああああああああああ!!!!」
観客、「なんで説教…」「あたし、明日から塾通う…」と衝撃の表情。
ユウジ、涙を流しながらうなずいている。
カナメ、勝手にドラムソロで「教養リズム」披露。
そして、ライブ翌日から静岡県内の書店では参考書がバカ売れ。図書館は連日満員。
学校でも「REAL experience式・教養魂ノート」が流行。
その結果、半年後に静岡の中高生の平均偏差値が14ポイント上昇する奇跡が発生。
県知事、「REAL experienceのミサキ氏の影響と見られます」と記者会見で発表。
県から表彰の連絡が届くも…
ミサキ、しれーっとスルー。
周囲が「県知事から盾届いてるけど?」と聞くと、
ミサキ「…あれ、鍋敷きに使ってもうたわ」
⸻
※後日、地元の国語教師が「ライブのおかげでクラスの子が清少納言を覚えた」と涙ながらに語ったという。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます