第23話 踏切 7
「啓ってすごい。オーラなんてみえるんじゃ。オーラって、みんなそれぞれ違うん」
「うん、みんな違っているよ。同じ人でも日によって、時間によって違ってみえることもある」
「ふ~んそうなんだ。そういうのがみえるのって楽しいことなんじゃろか。
もしかして辛かったりなんかするん」
「そうだね、もう慣れちゃったからぼくは平気だけど。
それも含めてぜんぶ自分だから特別に楽しいって思ったことはないし。
かといって辛いと感じたこともない。
オーラっていうのはその人のそのときの心があらわれているんだよ。
心の動きがオーラになってみえる。だから人とつきあうときのヒントになる。
まっ赤(か)っ赤(か)の人にはなるべく近寄らないようにしてる」
「どうして」
「怒っている人はオーラが赤い。怒りの波動をだしているから赤いんだ。
近づくと口で口撃(こうげき)される。けがするだろ。そんなときはとっとと逃げる。
誰とも争いたくないし、怒っている人だとどうしても口では負けるから」
「ほんと確かに。ぼくもそんなやつにはちかづきたくないもんね。ふ~ん機嫌が悪い人は赤いんだ。他にはどんな色があるん」
いいながら
『きっと咬みつき亀はいつもオーラが赤いんだろうな』
心の片すみで思う。
「そうだね、機嫌が悪いっていう色も一つって決まっていない。
そのときの心の動きに左右される。
実際はいろいろあって、一色(いっしよく)って決まっているわけじゃない。混じっていることも多い。心がマイナスのときは赤だけじゃなくて、もっと汚い色になっていることもある。赤黒く濁っていたりする。いつもの君のオーラの色は輝いている。
今日は違っていたけどね。だから純の今の心の中のことがわかるんだ」
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