第2話 ボッチ化計画

なんだか偉い学者さんやら教会のおっさんがやって来て俺のギフトを調べてるが


いいんだよそんな事なんかしなくたって『餌枠』も『スタント』も大体判ってるから…折角の王子様ライフを捨ててまで自爆…自白するつもりはないだけ


まあこのギフトのお陰で王位継承争いもし無くても良さそうだしっていうか王位継承争い以前に何かに食われるか殺されて終わるだろう、これで心置きなく兄上を応援できる


前世の記憶は戻ったと言うかフラッシュバックのようなもので、その時々を思い出しただけでさほど自分の中身が大人になったという感覚はない…それはそれで前世で年だけ食ったのガキだったということで悲しいがいつ餌になるのかわからないのだから現実逃…ではなかった、今をどうにかせねば


でもあれだ、自分と一緒にいると家族やお付の者たちも巻き込まれてしまうかもしれない


「う~んどうしたものか」



ぽかっ


「クルート殿下どうなさいました?わたくしめに何か粗相が有りましたでしょうか?」


ぽかっ


「おやめ下さい殿下、痛…くはないですが本当にどうされたのですか?」


侍女のアーヤを叩く俺、俺は気が触れたことにして塔に閉じ込めてもらうというすばらしい計画を立てたのだ『餌枠』は大抵異嫌な奴、序盤で消える奴は特にそうなのだそれを逆手に取って徹底的に嫌な奴になれば離れられるのだ


いかん!抱き上げられてしまった、くそっ!元女騎士に五歳児の暴力では敵わないまるでダメージが通ってないではないか…ならば!


もにゅ


「だ、駄目です殿下」


おれはアーヤの胸に手を出した、これならば物理ダメージは通らなくとも精神にはダメージを


「そういう事は大人になってからですよ」

何故か頬を染める元女騎士、Mか?Mなのか?


「いだっ!いだだだだ、ごめん!ごめんなさい!」

思いっきり頬をつねられて涙が!おのれ主に恥をかかせるとは恐るべし元女騎士


大人相手では駄目だ、ここは申し訳ないが…


「兄上~稽古しましょう」

心苦しいが稽古にかこつけて兄上が大怪我にならない程度に怪我をしてもらうのだ


「お前から稽古をつけてくれだなんて兄は嬉しいぞ」

兄上との年の差はたったの一つの六才、そして今の俺には大人の頭脳がある、勝ったな…

「ふっ、兄上油断は命取りで」


バキィ

目の前が真っ白に


ドゴォ

さっき食べた朝食がぁ


フルフルのボッコボコにされた、母様のDNAを受け継いだ美しい顔がおぞましいゾンビよろしく腫れ上がった挙げ句真っ青だ


「よく頑張ったな正直見直したぞ、お前がそこまで粘るとは思わなかったぞ」


そうだよ兄上のギフト『剣豪』だったのになんで傷つけられると思ったのか


次なる策を練らなくてはならない


大人も駄目、子供(の皮を被った鬼神)も駄目、一体どうしたものか

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