トリック

クライングフリーマン

トリック

 ミステリーの作品を書く限り、何らかの「トリック」は有用である。

「伏線」が見えにくく、「ご都合主義」に陥りがちだと揶揄されたり敬遠されたりする。

 だが、私は敢えて「伏線」も「ご都合主義」も使う。

 綾〇行人先生のような、見事な「叙述トリック」を毎度毎度駆使出来る訳でもない。

 だから、全てにおいて「我流」である。

 最初に書き始めた「大文字伝子が行く」では、「女性ホームズと男性ワトソン」的な作品にしようと思ったが、途中から路線を変更した。

 大きく路線変更になったのは、題材にした、「元総理殺人事件」だった。

 その謎を大きな「宿題」にして、「誰も設定しなかった設定」を次々に打ち出した。

 元総理が亡くなられて3年経った。

 よく勘違いされるが、3回忌ではない。今は3年後、である。仏教では、一周忌以外の「年忌」は、亡くなった年もカウントする。即ち、一周忌は1年後だが、3回忌以降は「〇年目」なのである。元総理の3回忌は、昨年済んでいる。

「人気取り」の為に、法事に参加した、という「構ってちゃん」も、勘違いで現出したのだろう。遺族にとって、笑えないジョークだ。

 さて、小さな事件大きな事件を解決していく、私の作品の「名探偵」達、誰に揶揄されようと、止められない止まらない。

「現実は小説より奇なり」という。

 現実の事件の方が、動機も結末も見えにくい。

 胡桃沢〇史先生のように、「自分なりの解釈」を主軸にするのが常になった。

 先生の場合、重要なニュースソースがあったようだが、「真実」に近づきすぎて「消された」と私は解釈している。

 世の中には、「理屈が通らなければ暴力で」という輩は多い。

 つい先だっても、選挙立候補者が露骨に選挙妨害される事件があった。

 致傷事件も起こっている。下品だ。

 非力な人間の私には、「想像力」「推理力」で文章を綴る以外、方法はない。

 幸い、「底辺のモノカキ」には、「魔の手」はまだ届いていないようだが。

 閑話休題。

 物事を「角度」を変えてみれば、見えないものも見えてくる。

 それが推理であり、推理を楽しむ為の「トリック」である。

 後何年、生きられるか分からない。

「独身」でいるだけで「年貢」取られる時代になった。

 恐い時代である。

 ひょっとしたら、この文章も「トリック」かも知れない。

 ―完―


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トリック クライングフリーマン @dansan01

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