第7話 助けを求めて

不安に駆られた由衣は、すぐにシステムを提供したセキュリティ会社に連絡を取った。自宅のスマートホームは高度なセキュリティレベルを誇るはずだったが、何者かが侵入したり、操作を誤ったりしている可能性があるのではと考えたのだ。


数日後、自宅に訪れた専門技術者が徹底的に調査を行った。その作業は複雑で、普通の人には理解できないようなプログラムやセキュリティプロトコルが次々とチェックされていった。


「どうでしたか?」疲れた表情で由衣が尋ねる。


技術者は少し困惑した表情で答えた。

「外部からの侵入の形跡は一切ありません。ハッキングの可能性はゼロです。セキュリティシステムも完全に正常に作動しています。」


「そんな……。でも、テレビやエアコンに勝手な動きが……」

由衣の声はわずかに震えていた。


「システムのバグである可能性は否定できません。しかし、現時点ではスマートホーム全体に大きな異常は確認されませんでした。」彼は念を押すように言いながら、こう続けた。

「念のためにすべてのシステムをリセットしておきました。これで問題はないはずです。今後また何かあればすぐにご連絡ください。」


一安心したような、それでも漠然とした不安が残るような心地で、由衣は技術者を見送った。

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