第3話 ちょっとおやすみ。神の休暇
「おはようございます、ジェニファー様」
「やあ、おはよう」
「そういえば、今日は全然光ってませんでしたよ」
「おお、それはよかった」
ジェニファーはにこりと笑う。
「おお、ほんとだ。全然光ってない。」
「ですよね?」
「昨日なんて、廊下の電灯より眩しかったのに」
「それは言いすぎです。」
「いやいや、ほんとだって。目、焼けたもん」
ジェニファーはハッハッハと笑う。
「おーい、フューズ。梨位万田の茶を入れてくれないかい?今日は久しぶりの休暇さ。」
「分かりましたが,,,,。一日一杯です。これでもう終わりですけどね。」
「___わかったよお。ほんとに君は人を動かすのが上手なんだからな。将来詐欺師にでもなるつもりかい?」
「そんなわけないでしょう」
「それにしても、光らない日なんて久しぶりですね」
「ああ、その通りだな。ふっ、いいじゃないか。いやあ、よかった」
「暇という気持ちが全面に出ていますが」
「ギクッ」
「ハア,,,,。やれやれです」
「でもさ、光らないってことは、自分が書いたあとがきが当たっているってことじゃあないか」
「ええ。つまり、誰も困っていないということです」
「それって、暇ってことじゃないか」
「いやいや,,,,。あなたは疫病神、いや、悪魔ですか?人の安心をねたむ人がどこにいるんですか。あ、ここにいるんですね。」
フューズが皮肉を飛ばす。ジェニファーはウッと声を漏らす。
「で、でも自分は神だぞ!?ふん。悪魔の訳があるかっ。」
「怒ってるようでも汗が垂れてるのは、カッコ悪いですね。」
「うるさーーーーーーーい!」
まだ汗がにじんでいる。フューズ、怖い。その気持ちは誰にでも読み取れる。成人した子供でも母が怖い的なことだろうか?
ジェニファーは、汗をぬぐいながら、そっと背筋を伸ばした。
「まあ、神だって暑い日はあるさ」
「それが神が言うことですか。 ほかの神様がかわいそうですね」
「うるさいっ!」
「さっきからうるさいうるさい、他に言うことがないんですか」
これを疑問文にしないところがまたフューズが強い感がでる。
ジェニファーは、口を開きかけて、閉じた。 言い返す言葉が見つからないのではなく、言い返しても無駄だと思ったのだ。
「はあ、神に対して全く。君は何様のつもりだい?」
「あなたの執事の、天使ですが何か?」
正当な答えにジェニファーは肩をすくめる。
「天使が、神に口答えとはね。世も末だよ」
「末が来るなら、神様がちゃんと働いてくれないと」
「うるさいっ!」
またうるさいか。ここまでくると私もあきれる。えっ、私は誰ですかって?ううん、まあそこは、トップシークレットでも言っておきましょう。ま、自分はただの脇役なので。
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