皆の人生自分が変えて。

第2話 天井武井

「っふう。おはよう、フューズ。」

「おはようございます、ジェニファー様。」

「君は眠くないのか?」

「ええ、ジェニファー様は眠たそうですが,,,,。」

「普通に皮肉ってるよね,,,,?」

「それより、朝の儀式をやって下さい?」


朝の儀式というのは、今の光る本のチェックのこと。

それからその光る本を中心に一日本を読んでいく。


「じゃあ、お供に梨位万田りいまんだの茶を入れてくれよ。」

梨位万田の木の実をしぼったもの。天界では有名だ。

「ダメです。さっき入れました。緑茶でも入れましょうか?」

「ちえっ、わかったよ。」


ジェニファーが取り出したのは天井武井あまいたけいの本。

「キラッキラじゃん。すごい。」

「すごくないです、かわいそうです。」

「こんなキラキラの本をしっかり読むんだから梨位,,,,。」

「ダメです。」


”天井武井”

武井は10歳の男子。幼稚園の頃からスタイルが良く、小学校ではモテモテの超大人気イケメン男子。文武両道を貫いている。

1年生ではさぞかし平凡な。2年生では厳しい先生に教えられ。3年生で最高の先生に出会って、今も教えを貫いている。5年生になってから着実にモテるようになり、プレッシャーさえ感じている。

「武井君、好きです。」

「武井君、好きだ。」

「武井君、付き合って。」

武井君武井君と言ってくるのは正直ウザい。

でも、悪い気はせず、女子が俺の言いなりになってくれるのはうれしい。

彼女にも困んねえし。でも、好きなやつがいない。好きな子がいない。

で、ある人に出会った。

「あははっ、それいいじゃない。ふふふ。」

そういうのは乙美矢奏おとみやかなで

その声に俺は、魅せられた。でも、そいつには彼氏がいる。しかもほかに告ってくる奴が来た。もう、どうすればいいのかわかんねえっっっ。

もう、誰か教えてくれ!!!!!!!!


「ふむふむ、大変だなあ。書くから、梨位万田の茶だ!」

「,,,,だから、ダメです。」

「つれないな、ほんとうに。」

「すいません。」

まったく思っていない口調で言う。


「こういう子は、あきらめさせた方がいいかなあ。」

「どうでしょうか,,,,?」

「梨位」

「ダメです。」

「ちえ、ん-ーー。そうだな、新しいいい子が転校することにしようか。でも、ちょっと直させたいから、試練をあげよう。奏の彼氏に何も言わず、我慢してみて置いたら、新しい良い子を転校させる。」

「いいんじゃないですか?」


ジェニファーは慣れた手つきでスラスラとあとがきに言ったことを記す。

しゃっ、すらっ、しゃっ。

「さあ、次の本は?」

またジェニファーは光る本を取り出して手を差し伸べていく。

それはまた、次の話。

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