第3話


 既成の所謂いわゆる「売れる本」、「芸術的価値があるとされる本」、「表彰を受ける本」、「人口に膾炙する本」…そうした一般的に、固有で個性的で、エクセレントな内在的な something else を持つと目される、流布されている種々のストーリー群については、PSの完成に至る大きな柱として、「執筆AI」のほかに「読文AI」が策定構成され、貪欲に分析が進められていた。


 シェヘラザードを”殺す”には、その生命が脈々と保たれてきたゆえんを知らねば…「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」。 ”よいストーリー”というものが、そう呼ばれるのは、いったいぜんたいなぜか?


 

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掌編・『シェヘラザードの臨終』 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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