第二話 戦え!願いのために!

「コードネーム No.8「バルバトス」 参戦エントリー


 あれからレンは一旦自宅に戻った。そうしたら腕輪が喋り出したのだ。「「神祖聖戦」演者プレイヤー、神楽坂錬、ロール王者ロード」腕輪は淡々と述べる。レンは驚いたがすぐに受け入れた。始めからそんな気がしていたからだ。「願いを入力してください。ただし願いの規模によっては一回のミッションでは叶わない場合やそもそも叶えられない願いもあります。」腕輪が問いかける。

レンは少し考え込む「俺の願いか...■■■■...いやとりあえずまとまった金がほしい。」腕輪は「了承しました。大型の敵位置表示」すると腕輪から光と共に空中に街のマップが浮かび上がった。1ヶ所印がついている。試しに印に触れる。その瞬間、閃光と共に大型のバイクのような機械が出現したと同時に「鋼天馬ペガスス、ルート案内開始」という音声が鳴り響く。


 レンは窓を開け、バイクにまたがるとエンジンをかけた。エンジン音と共に浮かび上がるバイク。レンは心が高ぶるのを感じた。(空飛ぶバイクだ!スゲー!)レンはそのまま全力でバイクのアクセルをまわした。バイクは蒼い火を吐き出しながら高速で東京の夜空を駆け抜ける。


 「目的地到達」バイクが告げる。そこにはあのときの少女がいた。彼女は驚いて「お前はあの時の!お前もまさか神祖しんそに!?」と叫ぶ。その瞬間彼女の腕輪が「No.8「バルバトス」」と告げる。同時にレンの腕輪も「No.29「アスタルト」」と告げる。「なぁ、神祖しんそってなんのことだ?それにアスタルトとかバルバトスとかなんだ?」レンが問いかけると少女は「その腕輪に聞いてみなさい」間髪入れず腕輪が「神祖しんそとは神祖戦争しんそせんそうに参戦した者のことです。神祖聖戦とは選ばれし72名の神祖しんそが願いのために様々な怪物との戦いに身を投じる儀式のことです。神祖しんそにはそれぞれコードナンバーとコードネームが付与されそれがあなたの場合はNo.8バルバトスなのです。」腕輪が語り終えた瞬間、爆発音が轟く。「気の早いやつが始めたみたいだ。お前も急いだ方がいい。」そう言い残すと次の瞬間には少女は消えていた。「次はどうすればいい?」レンは腕輪に問いかける。すると腕輪からホログラムのパネルが表示される。そこには「魔力解放」と書いてある。レンはそれをタップした。


 次の瞬間、目の前が真っ白となり全身に衝撃が走る。視界が開けるとレンは墨流しの着物を着て立っていた。左手には鋭い刃の付いた弓を持っている。辺りを見渡すと周りで影が限りなく黒い布のように漂っている。弓を振ってみる。すると影もそれに合わせて動く。右手を影に突っ込む、そして引き抜く。右手には漆黒の矢が握られていた。(なるほどこれが俺の力、しかし何故だ?俺はこの力の使い方を知っている。)


 その直後、爆発音が響きわたる。(早く往かなくては)レンは爆発音の響いた方へ駆け出す。そこには全長20Mはあろうかという巨大な蜘蛛が5匹暴れまわり、それと2人の演者プレイヤーが戦っているではないか。その内の一人はあのアスタルトと呼ばれたあの少女だった。

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神祖72 天廻月媛 @amanekaguya

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