第6話
相正悟は笹山団地を歩いていた 買い物に来たのである
突然横から男が近づいた
正悟はすぐに反応し 男の方を向いた
男は正悟の素早い反応に少しビックリしたようだった
スーツ姿でメガネをかけている
男は正悟の目を見て
「相正悟さんですね」と言った
正悟は相手に高い知性を見た
下心はないと見抜いた
「はい そうです」と答えた
「実は一緒に来ていただきたいのです」
「ボスからお話があります」と男はいった
「今 話せませんか」と正悟
「簡単に話すとお仕事の事です 福田さんからの」
「福田さんですか」正悟は福田を思い出しながら言った
福田に仕事ができるとは疑わしかった
福田はヤクザか何かに雇われているのかと思った
「福田さんの上司の方ですか」
正悟は聞いた
「いえ 福田の借金の話です」と男は言った
「彼の借金が何か」と正悟
「我々は福田を使いたいのです 正悟さんには報酬をお支払いいたします」
「福田一人では使えないもので」
正悟は気が重くなった
確かに福田と仕事をするのはイヤだ
「何の仕事かだけ簡単に教えて下さい」
と正悟
「福田がどうなってもよいのですか」
と男が言った
正悟はため息をついた
「借金っていくらくらいですか」
「僕はお金はもってないです」と正悟
「どこへ行けばよいのですか」
「こちらへどうぞ」
男は一台の車へ案内した
運転手が乗っている
「相正悟さん 我々はあなたに危害を加えるつもりはありません」
「わかりました」正悟は車に乗った
車は笹山団地から走り去った
正悟は車の中で後悔していた
車に乗るべきではなかった
なぜ福田の為に仕事をしなければいけないのか
福田も少し勉強すればいい
この事は正悟にとっては全く責任がない
車はとあるマンションらしき建物の前で止まった
男達に連れられ相正悟はマンションにはいった
エレベーターに乗り 3階で降りた
部屋に入ると そこは予想よりはるかに大きな部屋だった
そこは明るく ソファーやデスクが並んでいた
奥には大きいテーブルが一台あり そこに眼鏡をかけた小男が座っていた
「相正悟さん よくぞいらっしゃいました」と男が言った
「はじめまして 私は田中と申します」
「相正悟です」と言って互いに
「宜しくお願いします」と言った
「実は私 福田を助けたのでございます」
田中が言った
「誰からですか」と正悟
「神様からです」と田中はいった
「よく聞いていただきたい 神様の狙いはあなたです 相正悟」
「なぜ狙うのですか」
「神様はどうしてもあなたを味方につけたいと思っています」
「教団をひろげる目的です」
「僕はそこまで宗教に関わらない」
正悟はいった
「ですが正悟 鬼ヶ島のガイドの奈々さんは神様に囲われています」
「福田と共に奈々さんを助け出して下さい」
「助ける 軟禁か何かですか」と正悟
「そんなところです」田中はいった
「福田をここへ」
右側のドアが開いた
パジャマ姿の福田が目をキョトキョトさせながら入ってきた
「ここどこ」と福田
「やっと目覚めたようですね」田中が言った
「あれ 俺何してるんだろ」福田はいった
「奈々さんは何処にいるんですか」と正悟
「それは私も知りません」と田中
「福田さん」正悟は話しかけた
「奈々さんって知ってますか」
「え 奈々 あ知ってる ここどこだろ 何 今」
福田はいった
「福田さん 神様についてどれくらい知ってますか」と正悟
「え 神様 よく知ってるよ うんよく知ってる 娘が奈々だろ」
正悟は田中に対して
「僕らに出来ることはやって見ます」と言った
田中は
「頼む 相正悟さん」と言った
「では 行きましょう福田さん」
「何 いったい何が起きたの え 仕事 じゃやんなきゃな」と福田は言った
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