第5話
神様「浅間大菩薩」は考え事をしていた
彼は今 浅間神社の中にある小さな小屋のなかにいた コンビニ弁当の食べ残しや空き缶等が部屋には散
らかっていた
彼はここを借りて住んでいた
香川県に彼の信者はいっぱいいたが
横浜で彼を信じる者はいなかった
彼は自分が富士山の神だと本気で信じていた
子供の頃からオカルト等の本をよみ
この世の理屈を知っている気でいた
鬼ヶ島の観光ガイドは「奈々」と言い彼の娘である
彼には妻がなく、教団の女は皆彼のものだった
奈々は彼を信じてくれていないようだった
教団の者が彼女を甘やかし、一般の学校に入れた為である
彼はその人生で欲はほぼ満たしていた
彼は彼なりの良心を持っていて
福田と正悟にたいし「自分の教え」を教えてやりたい
それが彼らの為だと信じていた
福田はただのバカに見えた
宗教は頭から信じないタイプだ
相正悟に対しては 彼を目覚めさせることが出来れば 教団の為になる と思っていた
正悟は「何か」を持っているように見えた
眼鏡をかけ 色白 中肉中背 とても知的に見えた
彼は何を信じているのか
探りたい思いだった
おそらく正悟は独身で安定していない
だが資金提供は受けそうにないタイプだ
「信じること」これが救われる道だ
それが彼の考えだった
正悟は疑り深く見えた
だがあの男は高い知性を持っている
「奈々」「福田」「正悟」
この三人を教団に入れる良い考えはないものか
と神様は考えていた
彼らが「信じること」によって救われればよいのだ
まず 彼らの不幸を指摘せねば
彼の教えは
「神を信じて実行すれば証明される」だった
常に神を信じることだ
神を信じる事が心を安定させる
宗教はアヘンだ等と言うが
信じてみなければ神の道は分からない
神を疑う事は悪だと彼は考えていた
世界の目的と神の目的は同じハズである
相正悟はすべてを仮説と考える 科学者に似た考えを持っていた
まず3人を不幸にしよう と彼は考えた
神様は信者の一人を呼んだ
幹部である
「奈々 福田 相正悟を不幸にしたい いい手はないか」
「バラバラにした方が楽でしょう」と幹部
「さらいますか」
「男二人をさらうのは目立つ 奈々だけさらえ」
と神様
「悪いお人ですな」
「奈々を人質にして二人を捕まえろ」
「福田は教団の女を使えばすぐにさらえる」と神様は指示した
「正悟に対しては二人を人質にして孤立させろ」
「時間をかけて説教すれば私を信じるハズ」
「それと三人の情報を集めろ」神様は命令した
「かしこまりました」そういって幹部は下がった
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