少年にとっては

 ドンッ。

 ぼくに突っ伏する少年。

 ぼくは机なのに痛くないのかな?

 少年はグーグー寝てる。

 寝不足かな?

 ほら空を見てみなよ。

 すっごくあおいよ。

 なんて言ってもきっとダメなんだろうな。

 だって熟睡だもん。

 でも、おかしいね。

 周りの子供がクスクス笑ってるの。

 みんなは寝ないのかな?

 寝ないならいいけど、寝てるなら少年をバカにするのはおかしいよね。

 太陽はぼくらを照らすのに、この教室だけはどこか薄暗いの。

 ぼくは少年を眺めるだけ。

 ぼくは机。

 少年は人間。

 みんな子供。

 ぼくも子供。

 だからみんな子供。

 嘆いても結果は変わらないし、寝ても世界は動くなら、見ていた方がきれいだと思うけどな。

 でも、少年は寝たいみたい。

 ぼくは寝かせておこうと思う。

 だって、ぼく今だけはベッドだもんね。

 少年にとっては。

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