青ざめ
私は少年の背中を守る存在。
今日はとても暑い。
溶けそう。
今日も少年は学校に行くらしい。
青い私を担いで通学路を撫でるように歩く。
私は重い。
教科書に筆箱に、水筒など色々入ってるからだ。
しかも今日はお弁当らしい。
愛情がたくさん入ってるから重いんだな。
きっと。
今日は風も強いらしい。
少年の服が揺れてる。
見てしまった。
私は見てしまった。
お腹の辺り。
青というよりも、赤紫色だった。
いつできたんだ?
どうしてできたんだ?
分からない。
少年は通学路を撫でるように歩く。
ただ歩く。
学校は平和なのか?
このアザはいつできたんだ?
なにも言えない。
私には口がない。
私は青ざめていた。
物理的にも、心情的にも。
平和なんだよな?
そうだよな?
そうだよ。
きっとそう。
うん。
だから、アザは大丈夫。
そうなんだよな?
少年。
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