ホワイト・キティ【カクヨム短歌賞 十首連作】

二枚貝(双川望)

ホワイト・キティ

ソルフェジオ周波数でおやすみ 宇宙より遠いところで見ている夢


雛鳥は生まれるだろう錠剤を押し出すときの指の重さで


Hello, キティ. ぼくはきみにおはようを言う 病気が治るまでずっと


化粧水塗るときに確かめるわたしのかたちが正十二面体だったなら


日本はダメになっていく予感する でもこの部屋のキティは生きる永遠に


生まれてない頃からずっと懐かしい みたいな気持ちで田んぼを見てる


たましいを展翅板に載せよゆふぐれに崩れつつある夏の日差しよ


円周率おぼえていたい最後まで きみはピアノを弾く 告解室で


真っ白なキティの吐息はみずうみに溶けてはじけて 爆心地はここ


脱法ハーブ 巻かれてた包み紙の色とか思い出す 東京の空みたいに



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