第2話 最強のライバル、その名はアルレイン
福山城公園付近で、数台のバス大破事故があった。どれも観光バスであり、その中の一台だけが、空を飛んで助かったという。
しかし、それも束の間、大破事故に巻き込まれた市民の死体が動き出し、更には巨大なタコ足怪物へと変身。
そんな怪奇のさなか、正義の騎士が出現したのだった。
その騎士を目の当たりにした少年、片主衛朱。
少年は導れてか、光の筋の中をくぐり抜けて、巨人の体内に
「ここが騎士の動力室ってことか? それなら、俺がタコ足怪物をぶった斬るまでだ。この掣装ヴァスナーがやっつけてやる。行くぞ! そこの怪物め!!」
一方、博物館の真上を浮遊する魔城輸送機からタコ足専用の主軸になるバイオフレームが降下しだした。
「何⁉
すると、先ほどのタコ足の奴がフレームにまとわりついては変化をなして完全化の姿にフォームアップしだした。
「何と……いつの間にあんなすげぇのに変身したぜ。こいつはヤバいかもな……えっ、こんなとこにこの騎士の全身図が現れた? 何か両足首にサインがチェックしてる。そうか、これがこいつの必殺技か?」
タコ足完全武装からの先発か、タコ足でヴァスナーの身体を巻きつけ
「ううう〜〜。くそう、そっちがそれなら……喰らえ、ヴァスナー、電撃ヒールクラッシュ!!」
両足首の後ろから
接近してタコ足バイオセーバーのタコシュナイトに向かい、反転攻勢でキックをお見舞いした。
しかし、福山城博物館が中破してしまったから、頭をかきむしった衛朱だった。
「あーあ……福山城博物館がぁぁぁ。でも、半壊したのはごめん。こうなったのも、こんな怪物のせいだからな。喰らえ、ヴァスナー、電撃ヴァスナーエルボー!!」
そのプロレス技で怪物タコシュナイトはみじんに砕けた。
「やーったぜ!! 見たか、怪物め!! 俺は強い。このヴァスナーが最強ってことも忘れるなよな」
衛朱が調子に乗ってる所、一人の初老男性が、ヴァスナー付近を
「そこのおじさーーん。危険だから、下がってくださいよ」
「ホーウ。子供の声? まさか、この巨人に乗って操ってるのか? ホントなのか?」
「ちょっとさ、まだ新手来るかも知れないから、お願いしまーーす」
「すまぬ、すまぬ。こういう物珍しいの触りたかったのよねー。それじゃ隠れて見てるからねー。またねー、正義の巨人さーーん!!」
「何だったんだ、あのおじさんは?」
撤退したアーデラの地上攻撃隊。敗退の報告をした。
「何? 地球側からバイオセーバーらしき敵に倒されたと?」
「獣皇エユワ様のお叱りお受けいたします」
「叱るにはいたらん。データ不足の敗北は必然なのだ。悔やむくらいなら次の作戦を練っていろ。私はしばしの休息をする」
しかしながら、傍らで聞き入れた若い男が介入しだした。
「対話中失礼。このアルレイン。その謎めいたバイオセーバーを調査しましょう。敵のデータを知る必要があります」
「何だ、アルレイン、きさまは……」
「二人共よすがいい!! 分かった。お前に策があるのだな。出撃を許そう」
「ハハッ、よしなに」
「……くぬぬうううう〜(この虫ケラのような小僧めが〜)」
アルレインは、身体密着起動用バイオセーバー……デルザイドを狩り、福山城公園の焼け跡の現場に到着した。
「やはりまた新手の敵だ!! やいっ、俺は
警察が物凄く離れた長距離から周囲をおおうように超長距離からの交通規制を張っていた。
見慣れない怪物が怪獣映画から飛び出たようなアクションをしていたら、即ニュースになるから、交通課の警官も大変である。
「フッ、あの未確認バイオセーバー、近くでおがむと気分が
デルザイドソードを捨てて肉弾戦に持ちこんだアルレイン。
「新手が武器投げて素手でかかってきた。ヴァスナー、行くぞっ、ヴァスナー、ヒールクラッシュ」
「こちらも行く!! デルザイド、オーバーストリーム!!」
スキル対スキルが
規制張った公道にもスキル戦闘の影響を受け爆風で飛ばされたという。
「
「スキル発動はなしか? かかってこい、未確認バイオセーバー!!」
この最強的な巨人大戦は博物館を全壊されるレベルにいたり、両者が二人共地上に叩き付けるまでに展開した。
「クッ……キリがないな。この戦い、お預けだ。それまでに他のバイオセーバーにやられるなよな。さらばだ。次こそはお前を潰してくれる!! 撤退する!!」
捨て台詞を決めて、城都に戻っていったデルザイドだった。
「あ、あ……あいつ、初戦なのに強かった。まさしくライバルな怪物だぜ。今度会ったら、再戦してやるからな!!」
戦闘の疲労がピークを達してかヴァスナーは武装を解除し、衛朱を放出した。
グッタリした少年は、隠れて観賞していた初老により搬送された。
「う〜……ここは?」
「気づいたな坊主。まさかあんな巨大から人が這い出て来るとはなぁ」
衛朱はまるで今までのが夢なんだな、と一人納得していたのだった。
ヒト型の戦士かロボットなのか分からぬモノを思念の通りに動かして操る。その実感を残したままの夢だと思っていたのだ。
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