第6章 新たな未来の始まり

事故を回避し、物語の時間が再び動き出した。

太陽は鈴音の手をしっかり握りしめ、息を呑むほどの静寂の中で新しい未来を感じていた。


「鈴音、もう大丈夫だ。君を守るって約束したから」


鈴音は小さく頷き、ふたりはゆっくりと歩き始めた。

止まっていた世界が動き出し、季節の風が新鮮に頬を撫でる。


日々はゆっくりとしたペースで流れ、二人の距離も自然と近づいていく。


朝の教室

いつも通りの教室の空気。

けれど、今まで感じていた「運命の重さ」は少し和らいでいた。


友達の声、黒板のチョークの音、窓から差し込む朝日。

太陽は周囲を見回しながら、改めてこの世界の大切さを噛み締めた。


「今日もよろしくね」と鈴音が声をかける。

それが何よりの励ましだった。


放課後の図書室

二人で並んで過ごす時間は、まるで穏やかな海のようだった。

過去の痛みや不安を忘れさせるかのように、静かに心が満たされていく。


太陽はふと、鈴音に尋ねた。


「これからも、このまま続けていけるのかな?」


鈴音は静かに笑った。


「うん、未来はきっと二人で作っていけるよ」


夕暮れの坂道

沈みゆく夕日がふたりの影を長く伸ばす。


「ユウマ(太陽)」


鈴音が名前を呼び、彼の手を強く握った。


「ありがとう。あなたがいてくれて、本当に良かった」


太陽はその言葉に、胸が熱くなった。


「これからもずっと一緒にいよう。どんな未来でも」


新しい日常

二人は時折訪れる不安や疑問を抱えながらも、確かな絆で支え合っていた。

物語はまだ続く。

だけど、その先に何があっても、共に歩いていくという覚悟があった。

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