第5章:見たことない未来

車が消え、世界が白く染まったその後、太陽は目を閉じて深呼吸した。


そこは、まだ物語の中だった。

彼の体には、ユウマの感覚と、太陽の意識が混ざり合っている。


「これは夢じゃない……本当なんだ」


鈴音の笑顔が、胸に強く焼きついて離れない。


「太陽くん…きっと助かったんだわ」


太陽はゆっくりと立ち上がる。

これから、何をすべきか。彼はまだ完全にはわからない。


ただ一つ確かなのは、

この世界で彼女と過ごす時間が、もう限られていること。これは時間稼ぎに過ぎない。


「もっと、君と過ごしたい」


その想いが、彼を動かした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る