時は、少しさかのぼる。

とある一軒家の半地下にある配信部屋（アジト）。

「では、皆様。

　そして、おじガールズの諸君、いーい夜を。

　　　　ば・ばーい♪♪」

　配信者（フォークナー）DJおじが夜の枠を閉じた。

　DJおじは、LIVE配信サイト『ラ・フォーク』

において称号であるゴールデンセレクトにして

VoCE《ヴォーチェ》を取得している優秀にして

優良な配信者だ。

　そして、配信は大成功であった。

　今日も♪♪

　うっはうは♪♪♪♪である。

　フォークも舞に舞ったし、おかしな奴も枠に

湧かなかった。嬉しい限りだ。

しかし、3時間半の配信は少し疲れた。

が、今日ほど枠が、とどこおりなく進むことも

そうない。

　頭の中では、

　　おれ♪♪♪♪てんさーいwwwwwwww

と、思っていた。

自画自賛である。

しかし、一種独特の枠の空気と、型破りな配信

スタイルは、彼（おじ）の天才性を世に知らしめていた。

　

　明日から2日間は連休でダンボールソムリエの

きつい仕事も休みではあるし、ウキウキで配信

したのも、幸（こう）をそうした。

　時刻は、午後の10時前だ。

　自宅の配信部屋（アジト）を出て、伸びをする。

　階段を上がりつつ、

「気分も良いし♫♫

　今晩は、久々にアニキの店で呑むかな」

と、独り、ごちた。

　おじは、家を出発し、そのアニキの店へと、

向かった。呑みも前提に入れての徒歩。

　もう、深夜近くなので、街並みも暗い。

　人通りも、ほぼほぼ無いに等しい。

　それほど、離れてはいないのか？

「アニキに、電話しとくかな」

　スマホを出すと同時に画面を見ると着信が！

　怖いくらいに、ドンピシャなタイミング！？

である(汗)危うく、びっくりしすぎてスマホを、

を落としそうになった(汗)

　

　発信元は、daigoro と出ている。

「え！？アニキ？？！」

　数瞬の逡巡（しゅんじゅん）のあとに、押した。

「あはーん、間違えて！？切っちゃった！？

　着信！！

　どーしよ(汗)はひーーーー」

　おじは、間違えて終了を押してしまった。

　あわてて、かけ直そうとした時、また着信が

入った。

　　　　　　　　　daigoro

と、出ている。出ているのだが(汗)

　なぜだろう(汗)

　心無しか、daigoroの表記から、怒りの念が

ゆんゆんと、生あたたかーーく出ているように

思えて仕方がない(汗)赤黒ーいのが(汗)

　というか、怒っているとしか思えない。

　今度も押し間違えたら、死刑確定！！なので

耳に当てずに、ボタンを押す。

『おじいいいいぃぃぃい！！！？🤬💢

　何故！！切ったああ！！』

　( ´△｀)ｱｧ-💦

　当然のことながら、怒ってらっしゃる💦

　声量のある人なので耳が死ぬことになるのは

目に見えていた。案の定、大音声（だいおんじょう）のどら声。

「アニキ！？すいません！！誤ぽちっす！！

　違う💦違うんすよ💦悪気はないっす」

　数瞬の無言のあと、

『なーにが！！違うンだよ！！

　切るなよ！！俺の事、嫌いなのか！？』

と、返ってきた。

アニキも、そりゃそう言うだろう。

「いやいやいや！？それは、ないス💦」

　頭を横にぶんぶん振りながら、おじが、そう

答える。

「ボタン押し間違えて、切っちゃったんです、

　勘弁してください」

　電話の向こうで、深呼吸（アンガーマネージメント）しているような雰囲気の、アニキとおじに呼ばれた人物は、

『おじ♡？？罰金です♡♡』

と、うってかわり、にこやかに言う。

「いやいやいやいや！？

　今回は、マジで勘弁してくださいよ！？」

　アニキが、

『いーーーや、おじ！！！！

　1000フォークの罰金です♫♫もしくは……

　反撃する、動くサンドバッグです♡♡

　今日は調子いいし、完成記念です』

　嫌すぎる！！！！

　どちらも、嫌すぎる(இωஇ`｡)

　ボコボコにされる💦💦

　なんの！？完成記念？？とは思う、おじ。

　この、アニキとおじに呼ばれる人物は、今で

こそ、気さくに話してくれているが、本来は、

おじの過去の世界であっても、ラ・フォークの

世界であっても、簡単には近づいたり話しかけ

られないほどの大人物なのである。

　今は、どちらも少し距離を置いているようだ

が。

「何言ってるんすか、アニキ💦

　今、アニキの店に向かってるんで、直課金で

　勘弁してくださいm(_ _)m💦

　今晩は、呑みますんで。

　反撃する動くサンドバッグって、おれのこと

　ボコボコする気っすか！？イヤです」

　

『いいや、ダメですぅぅww

　エフェクトですぅぅwwww

　て、てか！？ホントに向かって来てるの？？

　こっちに？おじ？』

　あっれ？！たまたまだった？アニキ？？

　と、疑心暗鬼に駆られる、おじ。

　てっきり、どこかで見ているのか？アニキの

謎な情報網に引っかかったのかと思っていた。

『すっげーな、あきば(汗)

　おじ、ホントに来てたとは(汗)

　おじがこっちに向かってるよって、いきなり

　言い出してさ、あきば……』

　なにそれ、こっわ…………。

　だが、しかし！！

　ああああああきぃいいいばああああ！！！！

　てめええええ！！のせいか！！！？

　おじの胸の内に、激しい怒りの炎がメラメラ

と、吹き荒れた。

　正確には、八つ当たりなのだが、おじにして

みれば、どーでも良いwwことであったww

そんなこたああ！！

「あいつ…………。どこにいるんすか？

　とうとう、やっちまうか？」

　おじが、つぶやくように言う。

　若干（じゃっかん）マジモードのようだ。

『ん？あきば？

　今、うちの店のカウンターの端でな、わかば

　ふかしながら、乳酸菌のゲリラ枠待ってる。

　自宅やオフィスだと秘書がうるさいんだと。

　あいつ、すげーなww

　乳酸菌絡むと、神がかるよなwwww』

　ふっざけんんんんなよ！！？

　あきぃいいいばああ！！

　なにが！！！！秘書じゃ！？

『あと、くわと七巳が来てる』

　マジかよ。

「行くの…………止めますね」

　おじが言い終わると、踵（きびす）を返す。

『来いよ！！おじ！？おじ💦

　待ってるんだから！！みんな』

　おじが、画面の

　　　　　　　　daigoro

を、ガン見しつつ、立ち止まった。

「今から、また向かいますよ、アニキ」

　おじガールズ総動員で、乳酸菌にリクエスト

鬼投げしてやろか？！

とか、

秘書の神流川（かんながわ）に、チクってやろか！？

とか、企みながらwwww

やめときなさい、迷惑だからwwww

おじ💧‬止めたげて……乳酸菌ちゃ♥️に迷惑💧‬

かけるからwwwwww