第6話 ホロスコープという宇宙の時計

ホロスコープという宇宙の時計



「ホロスコープ」とは、

地球から見た天体の位置を示す図のこと。

国立天文台などの正確な天文データをもとに、

その瞬間の宇宙の“地図”として描かれます。


地球の周りを、まるで10の天体(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)が、

黄道上を回っているかのように見えます。

(実際には地球が動いているのだが、ホロスコープでは地球が中心)


天体たちは、それぞれ見かけの速さが異なります。

それは地球からの距離によって違って見えるのです。

近い月は早く動き、

遠い冥王星はゆっくりと進みます。


黄道を360度の円と見なし、

それを12星座で等分(30度ずつ)します。

ちょうど時計の文字盤のようにです。


この黄道の円に、10の天体が配置される――

つまり、10本の針を持つ宇宙の時計です。



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各天体の動きは、それぞれに特徴があります。


太陽は、およそ1日に1度ずつ進み、約1年で360度を一周。

⇒ 一年の針


月は、約30日で360度を一周。

⇒ 一ヶ月の針



他の天体は以下のように進みます:


水星:約88日で太陽の周りを一周。太陽の近くを行き来するように動きます。


金星:約225日で太陽の周りを一周。これも太陽の近くに見えます。


火星:約2年で360度を一周。


木星:約12年で一周。


土星:約29年で一周。


天王星:約84年で一周。


海王星:約165年で一周。


冥王星:約248年で一周。ゆっくり動く深遠の天体。




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スタート地点は、牡羊座0度(春分点)。

ここを「宇宙の起点」とし、そこから360度を数えていきます。

一つ一つの天体が、どの星座のどの度数にいるのか――

それを記したのがホロスコープであります。



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さらに、宇宙には広がりがあります。

地球や太陽系を越えた「中心」があるとも言われています。


ギャラクテック・センター(銀河核)

⇒ 射手座の25〜26度付近にある超巨大ブラックホール。

天の川銀河の中心で、太陽系はこの重力のもとに回っています。


スーパー・ギャラクティック・センター

(超銀河核)

⇒ 乙女座方向にある、銀河を束ねるさらに大きな重心。

太陽系が属する“局所銀河群”の全体の中心とも言えます。




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このホロスコープは、単なるデータの図ではなく、

読む人によって、意味や物語が変わる“宇宙の鏡”。


見方も、解釈も――

どこまでも、読み手の感性に委ねられているのです。



近年は銀河核と天体が同じ角度で重なるとき(コンジャンクションconjunctionという)、

どう読むかなどを研究している人もいておもしろいです。


かくいう私もスーパー・ギャラクテック・センター(超銀河核)と天体が重なっています。


研究している人によれば、好奇心が強いらしい…


それは、そうともいえるかな…?









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