第6話

龍の森に戻ってきたドルドは目的である薬草とゴブリンを探しはじめた。

入ってすぐにゴブリンの集団を見つけてドルドは軽く殲滅する。

「討伐証明部位は右耳だったよな」

ドルドは右耳を回収し胸から魔石を回収する。

後はゴブリンの死体を集めて火魔法で焼却する。

焼却する理由は疫病の防止とアンデッドにならないようにする為だ。

「これでよしと。次は薬草かな?」

少し歩けば薬草の群生地を見つけた。

ドルドは根本の付近から切断して薬草を回収する。

薬草は生命力が高く根っこさえ残っていれば1週間ほどでもとの姿に戻るのだ。

その後もドルドはゴブリンを討伐し薬草の採取を続けた。

日が傾いてきたのでオースティンの街に戻ることにした。

門の前では大勢の人達が並んでいた。

ドルドはアイテムボックスの中から里の近くで採取した仙桃を取り出して食べながら自分の番を待つ。

列は順調に進んでいきドルドの番になった。

ドルドは冒険者ギルドで受け取ったカードを提示する。

「おう。新人か。入都には銅貨1枚だ」

ドルドは驚いていた。

身分証がないときの入都料とはかなり違っていたからだ。

「身分証があるのとないのとでずいぶん値段が変わるんですね」

「犯罪者を入れない為の処置なんだ」

「なるほど・・・」

ドルドは銅貨1枚を払ってオースティンの街に入る。

まずは依頼の完了処理をする為にドルドは冒険者ギルドを目指した。

夕方の冒険者ギルドは依頼を終えた人が多いのか人が多かった。

ドルドは受け付けに並び自分の番がまわってくるのを待つ。

併設されている酒場の方からは美味しそうな匂いが漂ってきていた。

依頼を完了したらここで食事をしていくのもいいかもしれない。

そんなことを考えているとドルドの番がまわってくる。

「ようこそ冒険者ギルド。オースティン支部へ」

「依頼の完了報告にきました」

「依頼の完了報告ですね?カードの提示をお願いします」

ドルドは冒険者カードを提示する。

受付嬢は何かの機械にカードを通す。

「ゴブリンの討伐と薬草の採取ですね。こちらの板に討伐確認部位と薬草をお願いします。魔石も買い取りが必要なら一緒にお願いします」

ドルドは言われた通りに討伐確認部位と薬草に魔石を板の上に置く。

「凄い数ですね。新人でこれだけ狩れる人は少ないですよ?」

「たまたまですよ。群をいくつか見つけたので」

「そうですか。では、計算をしてきますので少しお待ちください」

受け付嬢はそう言って一度下がりすぐに戻ってくる。

「トータルで大銀貨1枚です」

「ありがとうございます」

「この調子ならすぐに冒険者ランクが上がりそうですね」

「そうなんですか?」

「はい。この調子で頑張ってください」

「はい。頑張ります」

ドルドは大銀貨を受け取りそのまま酒場に向かった。

生憎席は埋まっておりドルドはカウンター席に腰を降ろした。

「いらっしゃいませ。何をお出ししましょうか?」

「お勧めをお願いします」

「お勧めですね?今日はオークのステーキに野菜たっぷりのシチューがお勧めです。これでいいですか?」

「はい。お願いします」

「お客様。すみませんが先払いでお願いします」

「わかりました。代金がいくらですか?」

「大銅貨1枚になります」

「これでお願いします」

ドルドは銀貨を1枚渡す。

「大銅貨9枚のお釣りです」

「ありがとうございます」

「すぐに料理を運んできますね」

そう言って店員は一度下がった。

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