第7話

ドルドは運ばれてきたオークのステーキを食べる。

肉の質は里で食べていた肉よりは劣るがそれでも十分美味しかった。

これは料理人の腕が良いからかもしれない。

続いて野菜のたっぷり入ったシチューを食べる。

こちらもよく煮込まれており旨味が凝縮していた。

ドルドは追加で料理を注文し最終的に大銅貨5枚の出費だった。

黒字とはいえ、今後のことを考えればお金をもっと稼ぐ必要がありそうだ。

この日は大銅貨1枚の宿に泊まり翌日に備えた。

朝早く目覚めた屋台で肉串を10本ほど購入して冒険者ギルドに向かった。

冒険者ギルドでは大勢の冒険者がなにやら提示板で争っている。

ドルドは空いていた受付に並んだ。

「おはようございます。何か依頼を受けたいんですけど」

「依頼ですね?それならあちらの提示板に張ってありますよ」

「あぁ・・・。あの混雑は依頼の奪い合いだったんですね」

「割りの良い依頼は奪い合いですからね」

「今から行っても遅いですよね?」

「そうですね。こちらで提示できるのは常中依頼だけですがお受けしますか?」

「それでお願いします」

「では、冒険者カードをお願いします」

ドルドは冒険者カードを受付嬢に渡す。

「Gランクのドルド様ですね。紹介できるのは薬草採取かゴブリン討伐。後は鉱石の採掘ぐらいです」

「そうですか・・・。では、ゴブリンの討伐と薬草採取でお願いします」

「はい。確かに受理いたしました」

「それでは行ってきます」

「無事のご帰還をお祈りいたしております」

ドルドは受付嬢に見送られて冒険者ギルドを後にした。

昨日は遅い時間であれだけ稼げたのだ。

朝から動けばそこそこの額を稼げるだろう。

ドルドは真っ直ぐ龍の森に入り薬草とゴブリンの捜索を開始した。

結果からすればこの日はゴブリンの討伐がメインとなった。

ゴブリンは繁殖力が高く1日でかなりの量が増える。

放置していれば村1つを簡単に滅ぼせるほどの驚異になるが討伐報酬が安いこともあり積極的に狩る冒険者は駆け出しの冒険者ぐらだ。

それに龍の森では最下層の魔物であるゴブリンは他の魔物に捕食され数が増えにくいので問題がなかった。

ドルドとしてはもう少し強い魔物を狩ってもよかったが冒険者ランクが低い状態でその魔物を狩っても引き取って貰えるかわからなかった為、ゴブリンの討伐を黙々とこなしていた。

最終的に討伐証明の右耳と魔石でパンパンとなった袋を背負ってドルドはオースティンの街に戻ることにした。

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