第5話
街の中に入ると大勢の人が通りを行き来していた。
「凄い人の数ですね」
「あんまりきょろきょろするなよ?面倒な奴らが寄ってくるからな」
「面倒な奴ですか?」
「田舎者を食い物にしようとする奴らだ。今は私が一緒にいるから大丈夫だが1人になったらチンピラやスリが寄ってくるぞ」
「気をつけます」
通りをしばらく歩くと大きな建物が見えてくる。
「ここが冒険者ギルドだ」
「うわぁ。大きな建物ですね」
「龍の森のおかげで魔物も採取物も集まるからな。ここいらでは一番大きな支部なんだ」
「そうなんですね」
ドルドは男と共に冒険者ギルドの中に入る。
中には冒険者と思われる人達が大勢いた。
「こっちだ」
「はい」
男と共にドルドは列に並ぶ。
雑談しながら待っているとドルドの番がまわってくる。
「冒険者ギルド。オースティン支部へようこそ。ご用件は何でしょうか」
「こいつの冒険者登録を頼む」
「冒険者登録ですね。かしこまりました。こちらの用紙に記入をお願いします」
ドルドは渡された紙に必要なことを記入していく。
「出来ました」
「確認します」
受付嬢はそう言って記入漏れがないか確認しているようだ。
「はい。問題ありませんね。こちらギルドカードとなっております」
そう言って1枚のカードを渡される。
「ありがとうございます」
「身分証もかねておりますのでなくさないようにお気を付けください」
「はい」
ドルドはなくさないようにポケットにカードをしまう。
「では、規則についてご説明させていただきます」
受付嬢はそう言って守るべきルールを説明してくれた。
「以上となりますが、わからなくなったらこちらの冊子をご確認ください」
「ありがとうございます。早速依頼を受けたいのですけど」
「かしこまりました。少しお待ちください」
そう言って受付嬢は席を立ち数枚の紙を持って戻ってくる。
「ドルドさんは最低ランクのGランクですので受けられる依頼はこちらとなります。どれをお受けしますか?」
示された紙に書かれていたのは薬草採取にゴブリンの討伐など、どれも簡単な仕事だった。
「複数受けても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですけど依頼の失敗には違約金が必要になりますよ?」
「そうなんですね。では、薬草採取とゴブリン退治でお願いします」
「薬草採取とゴブリン退治ですね。確かに受理しました」
「ありがとうございます」
「無事のお戻りをお祈りいたしております」
ドルドは受付嬢に見送られて冒険者ギルドを後にする。
「無難な依頼だな。とはいえ、龍の森のゴブリンは手ごわいからな気をつけろよ?」
「ゴブリン程度なら余裕ですよ」
「そうか。まぁ、頑張れよ」
ドルドは案内してくれた男と別れてオースティンの街を出た。
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