第2話 闇帝国
雨水が滴る場所での事だった。
「貴方とこうやって、戦うことになるなんて思ってもなかったわ。」
「戯言を言っている暇などないと思うが。……我らは敵。仲良くするつもりは無い。」
銃声が響く。だが、その音を聞いて警察が来ることは無い。
ここは雨水滴るセカイ。2人だけの封印されたセカイなのだから。
「……!琳寧!」
「あっれ……私、寝てた?」
「結構ね。」
時計を見るともう2時間も経っていた。
変な夢をみた気がする。冷たい雨が降ってる所で戦っている夢。あれはきっとおばあちゃんだろう。私のおばあちゃんは色んなところで戦っているスパイだから。
あぁ、おばあちゃんってかっこいいな。
「そうだ、琳寧の両親って何してる人なの?いつも居ないみたいだけど。」
「あ、正確に言えばいつもじゃないんだけど、私のお母さんは海外の医療チームとして働いてるよ。お父さんは…警察してたみたい。」
「そっか。」
私のお父さんは物心ついたときにはもう居なかった。お母さんによればすっごいかっこいいスパイだったみたいだけど。でも、任務中に銃殺されて亡くなったんだって。
「見てみたかったなー。」
教室の扉が開く。
それと同時に女子の悲鳴が聞こえる。
「夜半、どしたの?」
「いや。ちょっと屋上来てくれないか。」
「別に、いいけど。」
なんだろう、夜半にこうやって呼ばれるの初めてな気がする。
「漫画じゃないんだから屋上なんて開いてる訳ないじゃん。」
「あぁ、知ってる。…
屋上への扉に手をかざし、強制解除。そう唱えるだけで重そうな錠前が外れた。
夜半、そんな能力持ってたなんて凄いなー。
「夜半の力ってそういう強制解除とか便利な物なの?」
「まぁ、そうだな。お前は?なんか能力あんの?」
「あるよ。でも、そう夜半みたいに簡単に使えないんだよね。私の能力は
スパイたるもの、能力の1つ持っている。私も全能力強化とかいうチート技を持っているのに何故か使えない。生まれた頃から1度も。
夜半と私は能力の使い方が違っていて、夜半はちょっと力(精神的な?)を込めると使えるのに私の能力は究極のピンチになった時にしか発動しない、ただの高校生なのだ。
「闇帝国って、何がしたいと思う?」
「え?そりゃ……」
闇帝国は私たちの自由を奪い、世界を自分たちの支配下に置きたい。それが願望。そうずっと教えられてきた。実際、私のおばあちゃんは帝国軍壊滅寸前まで戦った実績がある。
まぁ、私は帝国軍を見たことがないから何も言えないんだけど。
「悪役と主人公がどっちもハッピーエンドになればいいのにな……。」
「そうだねー。」
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