お前、嫌われてるぜ

白川津 中々

◾️

「今度の休み、服買いに行こうよ」


休み時間。その言葉を聞いて彼女への興味が失われた。


相手が我を出してきたら終わり。それが俺の見極めである。

女は狐だ。油断するとすぐ化かそうとしてくる。要望を出すのはその兆候で、これを聞き入れると確実に図に乗り増長するのだ。断固として聞き入れるわけにはいかない。恋愛とは如何にしてイニシアチブを取れるかが肝。よって、ここの選択肢は……


a.いいね! 行こうよ!

b.何買うの?

c.絶対やだ。


cに決定!

さて、どうなる。


「え、そんな言い方なくない? なんか、失望しちゃった。もういいや。さよなら」


バッドコミュニケーション。


「……」


ため息一つ。ゲーム終了。やってられん。

これだから女は。厚かましく、自分だけが特別で根拠もないのにこの世の主人公だと思っているからあぁいうセリフがポンと出る。これはライターが女に違いない。二度とこのシリーズは買わん。あぁしかし、あのキャラクター攻略のために費やした時間が無駄になった。この怒り、どうしてくれよう……


よし。

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