第15話 暴力しすぎ、この姉は。

「金龍勇者の日常」


第15話 「暴力しすぎ、この姉は。」



ブルーファ(8歳): ……。(ハウナを睨みながら歩いている)


ハウナ(8歳): ♪♪〜♫…。(鼻歌を歌いながら歩いていて、ブルーファのことを全く気にしていない)


マイラ(8歳): ……。(2人の間に挟まりながら歩いている)


(き…気まずいな…。あの時…、絶対にやばいことがあったはず…。ブルーファがずっとハウナを睨んでいる…。まぁ、気づかないふりしよっかな。)


マイラ(6歳): (よそ見して気付いていないふりをする)


ブルーファ(8歳): (マイラのほうを見て話しかけてくる)おいマイラ、お前が苦手な物はなんだ?


マイラ(6歳): (少し慌てて)に…苦手な物?そういえば僕に苦手な物ってあったっけ…?


ハウナ(8歳): 確かに言われてみればない気がするな〜。(頭を傾げて考えながら言う)


ブルーファ(8歳): ほんとか〜?本当はあるんじゃねぇの?


マイラ(6歳): (めっちゃ考えたけど思い付かない)うん…、やっぱりない…。


ブルーファ(8歳): 苦手な物がない人なんかこの世にいるのか?


ハウナ(8歳): ん〜…、まぁ居るんじゃないの?


ブルーファ(8歳): じゃあ、お前はあるのか?(ハウナのほうを見る)


ハウナ(8歳): 私?私は…、そうだねぇ…。秘密!


ブルーファ(8歳): 秘密だと!?さすがにお前にはあるだろ!


ハウナ(8歳): (笑いながら)私はね〜、そうやって口の悪くてちょっとしたことだけですぐ攻めてくる貴方が苦手ですよ〜!(持っている杖を振り回す)


ブルーファ(8歳): お…お前って奴は…。(怒っている)


音: (強い風がブルーファだけに当たってブルーファが飛ばされる)


ブルーファ(8歳): (飛ばされていく)俺はお前みたいなちょっとしたことだけですぐ暴力してくる奴が苦手なんだ!


マイラ(6歳): (黙って2人の様子を見る)(心の中: ブルーファめっちゃ飛ばされてる…。)


ハウナ(8歳): ちょっと魔法で強い風を吹かせただけでこんなに飛ぶんだね〜!凄いなぁ!(飛ばされていくブルーファを見て喜んでいる)


ブルーファ(8歳): よ…喜ぶなバカ!!(近くの木に捕まって何とか耐える)


マイラ(6歳): ……。(笑わずにハウナとブルーファの様子を見ている)


音: バキッ!(ブルーファが捕まっている木が風の強さに耐えられず、折れてしまう)


ブルーファ(8歳): うわぁ!?(木が折れて、風でもっと遠くのところに吹き飛んでいく)


ハウナ(8歳): あははは!飛ばされてる〜!(ブルーファを見てめっちゃ笑う)


音: ザザッ!(マイラがブルーファのところに一瞬で近付いて、ブルーファの手首を掴む)


ブルーファ(8歳): わぁ!?チ…チビ!?(手首を掴まれて驚く)


マイラ(6歳): (強い風が吹いても全く飛ばされずに、飛びそうなブルーファの手首をずっと掴んでいる状態で)ブルーファ、どうして今ハウナとの関係がこんなふうになってるのか教えて?


ブルーファ(8歳): ふ…ふん!お前には関係ない話だ。(答えようとしない)


マイラ(6歳): 絶対何かあったはずだよ?僕…、ブルーファのことが心配なんだ。


ブルーファ(8歳): な…何が心配なんだ…?


マイラ(6歳): あの時…、森の中で倒れてたでしょ?


ブルーファ(8歳): あ…あれはなぁ…。(少し焦る)


マイラ(6歳): だから…、「マイラを殺せ」って言ってハウナを攻めたら、ハウナがブルーファを攻撃しちゃったのかなって思って…。


ブルーファ(8歳): お…俺がお前のことを「殺せ」と言う訳がねぇだろバーカ!(誤魔化す)


マイラ(6歳): ん〜…、まぁブルーファが言う訳ないか…。(ブルーファの手を離す)


ブルーファ(8歳): うわっ!?(マイラが手を離したせいで強い風で遠くに吹き飛んでいく)


マイラ(6歳): (強い風に当たっても全く飛ばされず、その場に座って考える)(心の中: じゃあ何があったんだろう…。とりあえずブルーファが何者かにやられたのは確かだ…。)


ハウナ(8歳): ん〜、そろそろ止めるか!(杖を少し振り回す)


(強い風が止まる)


ブルーファ(8歳): (いきなり強い風が止まって、地面に落ちて地面に顔が埋まる)うわっ!?


ハウナ(8歳): (マイラのところに来て)マイラ〜、ブルーファと何話してたの〜?


マイラ(6歳): (ハウナを見て)ねぇ、ハウナ。


ハウナ(8歳): ん?なぁに?


マイラ(6歳): あの時、ブルーファが森の中で倒れてたけど何かあったの?


ハウナ(8歳): ん〜…、いや別に何もなかったわよ!(本当にあったことを話さない)


マイラ(6歳): そ…そうかな…?わ…分かった。(ハウナのところから離れて少し考える)(心の中: 絶対何かあったはずなんだけど…。2人とも詳しく教えてくれないな…。結局2人が何を考えてるのかが分からない…。もしかしたら僕に秘密で何か作戦を考えるのかも…。また違う日で様子を見てみよう…。)


(数日後…)


(家の中でハウナに話しかける)


マイラ(6歳): (小声で)ねぇねぇ、ハウナ。今…、ウザいなって思う人は誰?


ハウナ(8歳): ん?ウザいなって思う人?そうだねぇ〜!ブルーファとかブルーファとかブルーファとかブルーファとかブルーファとかブルーファとかブルーファとか…。(まだ言っている)


マイラ(6歳): (ハウナの話を聞いて)(心の中: 相当ブルーファのことをウザいと思ってるな…。)


ハウナ(8歳): あと、マイラとかね?


マイラ(6歳): えっ?(驚く)


ハウナ(8歳): 冗談よ冗談!ブルーファは本当だけどマイラのことは全くウザいと思ってないよ!


マイラ(6歳): な…なんだ…。びっくりした…。(安心する)(心の中: 僕もウザいと思われてるのかと思った…。)


(今度は村の外でブルーファに話しかけてみる)


マイラ(6歳): (小声で)ねぇねぇ、ブルーファ。今…、ウザいなって思う人いる?


ブルーファ(8歳): いるに決まってんだろ!もちろんハウナだ!


マイラ(6歳): そ…そうなんだね。(心の中: お互いにウザいと思ってるのか…。)


ブルーファ(8歳): 今から俺がお前に命令する。それに絶対従えよ。(いきなりマイラに言う)


マイラ(6歳): えっ…?あっ…うん…。(少し驚きながら答える)(心の中: ど…どんな命令だろう…。)


ブルーファ(8歳): 「ハウナを殺せ」。


マイラ(6歳): (顔が青ざめる)えっ!?で…できるわけないよ!!


ブルーファ(8歳): お前はハウナより強いんだから簡単に殺せるだろ!


マイラ(6歳): そ…そういう意味じゃなくて…。(心の中: どうしよう…。命令されちゃった…。ハウナを殺せるわけないよ…。自分の姉だもん…。)


ブルーファ(8歳): 殺ってきなよ。(その場を立ち去る)


マイラ(6歳): ……。(近くの木に腰をかけて空を見上げる)(心の中: どうして僕にあんなこと命令したんだろう…。殺るなら自分でやればいいのに…。まず人を殺すのは良くないことだ…。)


スズメ: チュン?(マイラの手に止まってマイラを見ながら首を傾げる)


マイラ(6歳): どうすればいいと思う?(手に止まっているスズメの頭を撫でる)


スズメ: チュン!(どこかへ飛び立つ)


マイラ(6歳): わぁ待ってよ〜!(スズメを追いかける)


(スズメを追いかけているとハウナが村の外で歩いてくるのが見えてくる)


スズメ: チュン!(ハウナの肩に止まる)


ハウナ(8歳): あら、可愛いスズメちゃんね〜!(スズメの頭を撫でてニコニコする)


マイラ(6歳): ハ…ハウナ…。(恐る恐るハウナに近付く)


ハウナ(8歳): ふふ、マイラが私のことを殺せる訳がないわよね〜。(笑う)


マイラ(6歳): えっ!?な…なんでそのことを…。


ハウナ(8歳): 普通に魔法で遠くの様子も簡単に見えるのよ!それでたまたまブルーファとマイラが「ハウナを殺せ」って言うのが聞こえたのよ〜!


マイラ(6歳): し…知ってんだ…。ハウナ…。


ハウナ(8歳): ん?まだなんかあるの?


マイラ(6歳): もしハウナを殺せなかったらブルーファ怒るかな…。


ハウナ(8歳): そんなに深く考えなくていいよ!まずブルーファがマイラに殺すのをたのむ理由は私の苦しんでいる顔を見たくないからね。それに自分ではなかなか攻撃ができないからマイラに頼んだのよね。


マイラ(6歳): えっ…そうなの!?


ハウナ(8歳): 実はブルーファね、口は悪いけど内心はちょっと優しいのよ。


マイラ(6歳): や…優しいのかな…?ハウナを殺したいって思ってたのに…。


ハウナ(8歳): (笑顔で)でも実は私の事殺したくないのよ。ウザいと思っててもね!


マイラ(6歳): そ…そうなんだね…。(少し理解する)


ブルーファ(8歳): (いきなりハウナとマイラのところに現れて)お前ら、何話してるんだ?


ハウナ(8歳): 見ちゃったのね…。私とマイラがイチャイチャしているところを…。(嘘を言う)


マイラ(6歳): 別にイチャイチャしてないけど!?(ハウナの言葉に驚く)


ブルーファ(8歳): 兄弟でイチャイチャするかボケが!


ハウナ(8歳): あっ!そういえば前の日に私とブルーファがイチャイチャしているところをマイラのに見られたわよね〜!あの時すごく恥ずかしかったでしょ?(嘘を言う)


ブルーファ(8歳): あれはただの会議だろ!イチャイチャなんかしてねぇ!お前嘘ばっか言うよな。バカ!アホ!可愛くねぇ!ババア!!


マイラ(6歳): (少し焦る)(心の中: い…言いすぎじゃない?)(ハウナのほうをチラッと見る)


ハウナ(8歳): 誰がバカ!アホ!可愛くねぇ!ババア!ですって?(笑顔で怒りながらブルーファに杖を向ける)「ソーゾゴウル」!


音: バキバキ!(ブルーファの上から雷が落ちてきて、ブルーファに直撃する)


ブルーファ(8歳): コイツ…、やべぇ魔物だ…。(雷に当たって倒れる)


ハウナ(8歳): やばい魔物はブルーファのほうでしょ!(笑う)


マイラ(6歳): (ハウナとブルーファの様子を見ながら)(心の中: 絶対ハウナのほうがブルーファに対して殺意が強い…。ソーゾゴウル…、結構危険な魔法なのに…。)


ハウナ(8歳): (笑顔でマイラのほうを振り返る)さぁマイラ!村に帰りましょ!


マイラ(6歳): あっ…、うん!(慌てて返事する)


(僕はチラチラブルーファのほうを見ながらハウナと一緒に村に帰った…。)


次回 第16話 「猫恐怖症」

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