暴力的なまでに魅力の詰まった主人公、緻密な世界観に圧倒されるSF傑作

いやもう、どれだけ引きの強いタイトルなんだと。さらに俺のターン！の連続でライフを０にされるような怒涛のパンチライン。
特に最後の【いつか「あの人」に再会を果たすまで。】がいかつすぎます。
ここで、ぐわっと妄想と世界観を広げさせてくれるんです。「あの人って誰？ボクっ娘とどういう関係？眼鏡は関係あるの？」と。
そして、そんな妄想で逸る気持ちを見透かしたかのように第1話で綺麗に回収してくれる丁寧さ。
しかも読んだ人を一瞬で引き込む躍動感あるアクションシーンには、待ってましたの刀付き。
もう一度言います。いやもう本当にどれだけ豪華な欲張りセットなんだと。

しかし、何より凄いのが、そんな豪華セットをまとめあげてる世界観の緻密さ。そして主人公の魅力。あえて第1話だけで語りますが、ウザ男を倒した直後のあのセリフ、そのあとに語られる「あの人」への想い。そこで、少女性が足されたことによって、ラストの地の文と混じった台詞がさらに刺さりまくる仕様。この構成は本当に素晴らしいと思いました。
例えるなら、キャッチ―さとメロディアスを持ち合わせた緩急のあるEDM。まるでZeddのような鮮烈でエモいサイバーパンクSFアクション作品です。