八十よろし

@touten

八十よろし

八十路(やそじ)なる眉描き足さむおぼろ目に 女(ひと)たる一点ここは譲れぬ


劣化する細胞抱へ 徒歩とほとシルバーカー良しわが盲導犬


雲間より半月覗くバス停に 雨降りお月さん何度も歌ふ


恥と罪まみれなりしを浄化さる 左様なること許すシステム


わが哲理築く五年をドイツ住み 同行見えねば一人帰国す


吾(あ)は誰れぞ自問すらせず汗かき時代 今賜はりしこの無為思索


山奥の良寛さんの苫屋(とまや)良し WiFiなくば無理にて候


役割と殺生浪費を脱出の方丈に棲む くうに抱かれ


地球での最期のページ 短歌的ミニマリスト的装飾過多なり


あらまほし皺と弛みの花盛り せめて鏡よならではの美を

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